ZAITEN
最新号案内 バックナンバー 購読申込 単行本案内 別冊案内 会社概要 求人情報 広告料金 クレーム研究所 編集者ブログ お問い合わせ サイトマップ

« 改正銃刀法 | ブログトップ | ヤマダ時間 »

整形外科に必要な「生計外科」

休日、突然電話が鳴った。
「申し訳ありません。○○○整形外科ですが、○○さんご在宅でしょうか」
「いえ、今不在ですが、なにか」
「最近、お見えにならないようですが、お身体の調子いかがかと思いまして」

ひところは、老人サロンと揶揄されていた整形外科。
齢を重ねるごとに身体のアチコチにガタが来るのは、人間の自然な流れだが、
膝や腰の痛みを緩和してくれる整形外科に
老人たちが集うのも至極当然な流れでもあった。
「今日は、○○さんのおばあちゃん、見えないねぇ」
「具合でも悪くなったのかしら」
病院のロビーで、こんなブラック冗句も交わされるようにもなった。

そんな老人たちの憩いの場と化した整形外科に異変が起きている。
冒頭の電話は家人が以前、関節痛から通院したことがある整形外科からのものだ。
だが、その痛みも癒え、ここ何年も通っていない。

そんな過去の患者の身体をいまでも考えてくれているのだろうか。
だとしたら、なんて地域に密着した見上げた医者だと褒めたくもなる。
だが、どうやら事情は違う。

高齢者の医療負担に加え、新型インフルエンザの蔓延、
そこから老人たちは逃げ出したのである。
老人サロンから高齢者の姿が消えつつあるのだ。

スポーツで痛めた足を引きずり駆けつけた学生が、
数多くの老人がいるために、長い時間待たされることがなくなった。

だが、老人患者が日増しに減りつつある現状に焦りだしたのが、
老人のケアで医療費を稼ごうとしていた整形外科。

それが「その後いかがですか?」と
さも、以前の患者の身体を心配しているかのように電話をかけてくる
“営業医療”につながった。
患者の掘り起こし作業だ。

その電話口調は、やさしく、丁寧。
だが、何年もしてから、急に伺いを立ててくるなんて、
ホントに患者身体のことを心配しているようには
とても、とても思えないのだが。

財界展望新社 Copyright (C)2003-2014 ZAIKAITENBOSHINSHA,All Rights Reserved.