金融庁の特別検査が終わり、大口融資先34社が「破たん懸念先」以下の不良債権に格下げされた。当然、「最終処理」の対象企業となるはずだが……。だが、金融庁が発表した破綻懸念先34社の中で法的整理の対象となる企業がなぜ、出てこないかということだ。「新規融資を停止しても、経営再建計画が順調に推移しているので、法的整理の対象にする必要がないのだ」とメガバンクは回答する。だが、取材してみると、メガバンクは例えば連結対象外の系列ファイナンス会社を使って、本体に変わって融資を実行したり、あるいはファイナンス会社に当該の破綻懸念先の債務を肩代わりさせる方法が見え隠れする。本体が表に出ず。裏で緊密金融機関が支え、法的整理の対象となることを防いでいるのだ。これは悪質な銀行ぐるみの不良再建隠しに他ならない!