「週2回の楽しみのガード下での冷や酒が週1回になった。唯一の娯楽だったのですがね」――そう言ってグラスの底の酒を絞り込むように流し込み、疲れ果てたビジネスマンは駅へと消えていった。
政府の無策から依然として厳しい不況に覆われている日本列島、昨年の倒産件数は1万8000件に上り、戦後4番目の高水準(帝国データバンク調べ)を記録した。不振企業への貸出債権を買い取り、再生を支援する産業再生機構が発足、6月にもその第1号が決定すると見られるが、何より深刻なのは地方経済なのである。政府は全国で57件の構造改革特区の内定をし、規制緩和・撤廃を図るというが、それが即、起爆剤となり得るかどうかは甚だ疑問なのだ。
◇札幌発─玄関続く北海道経済「産業クラスター構想」で新市場創設急務
◇仙台発─全国最悪環境下の東北経済中小企業支援策打ち出すも“未だ雪深し”
◇名古屋発─勝ち負け混在の中部経済好調自動車業界牽引で中国ビジネスに活路
◇大阪発─倒産の3割が建設業起業家精神宿る“浪速魂”奮起が糸口
◇福岡発─“飛行機の後輪”九州経済が見出す「弱者なりの経営戦略」