民事訴訟に発展した第一勧銀と論談同友会の「取引」
 その取引は12年前の昭和61年に始まった。しかし、通常の融資案件と様相を異にしていたのは、元金の請求を行わない、名義人を替えるということだった。貸し手は第一勧銀、実質的な借り手は論談同友会・正木龍樹会長であった。金額は総額11億円。その後、金利の返済は滞りなく済まされ、取引は脈々と続いていたのだが、一連の総会屋利益供与事件を機に第一勧銀はこの取引を白紙に戻すことを決め、名義人を相手に貸金の返還訴訟を起こした。だが、そもそもなぜこのような融資取引が派生したのか、それは今のところ明らかにされてはいない…。