長銀不良債権5兆円と石油公団の闇
「長銀事件」は単なる特別背任事件ではない。官僚との結び付きの中で規模を拡大してきた同行の「官民癒着の構造」こそ、その本質なのだ。
 国鉄清算事業団、石油公団、道路公団などは、いうまでもなく運輸省、通産省、建設省などの有力天下り先であり、彼らが運営権を握っている。そこから恒常的に顧問などの名目で天下りを受け入れている長銀は、人脈が途切れることがない。今後、検察が長銀疑惑において、構造的問題に切り込むことになれば、まさに天下りと融資の相関関係が狙われるのである。図表「長銀と霞ヶ関癒着の構造」付き。