ZAITEN2026年10月号

ベッセントの意向に操られ―

高市財政の「暴走」で米国の〝植民地化〟

カテゴリ:TOP_sub

「日本の為替政策や金融政策が米国の管理下に置かれたようなものだ。通貨敗戦とも言うべき由々しき事態と言える」  

 日米両政府が1998年以来となる、約28年ぶりの円買い協調介入に踏み切ったことに、霞が関の経済官庁幹部はこんな呻き声を漏らした。  

 円相場が一時、約40年ぶりの安値水準となる1ドル=163円台まで値下がりし、円安と物価高の悪循環に歯止めがかからない中、自力では市場に対抗できなくなった高市早苗政権が、トランプ米政権に救いの手を求めた。この結果、実現したのが7月末の日米両政府による、28年ぶりの円買い協調介入である。  

 米国まで乗り出したサプライズ介入で、円相場は一時、155円台まで押し戻された。日本側は「日米通貨同盟の完成形だ」(財務官の三村淳)と成果を誇り、大統領のトランプは「日米友情の証だ」とアピールした。

 だが、実態はそんな麗しい話では決してない。協調介入を主導した財務長官のベッセントは、助け舟を出した見返りに、日本の為替政策や金融政策について、あからさまに注文を付けている。円安や日本国債安が米国の経済・財政政策に悪影響を及ぼさないようにするのが狙いだ。高市政権に協力するフリをして恩を着せながら、実際は米国側の都合のいいように、日本経済・市場を操ろうとする意図は明白である。  

 永田町で「猛女」として鳴らしてきた財務相の片山さつきが、ベッセントにひたすら感謝する様子は、第二次大戦に敗れた日本の植民地化政策を進めた連合国軍最高司令官総司令部(GHQ)のマッカーサー元帥を当時の首相らが仰ぎ見た光景とダブってさえ見えた。インフレ局面に転換しているにもかかわらず、デフレ時代のアベノミクスの猿真似のような財政支出拡大と、金融緩和を志向して円の信認を貶め、米国による「第二の占領」を招いた首相、高市の罪は重いと言わざるを得ない。

円買い介入継続の前に
先手を打ったベッセント

「多くのアジア通貨が円と連動している。90年代のアジア通貨危機は大幅な円安が引き金となった。円が弱いため韓国ウォンも弱く、中国も人民元の切り上げに消極的になっている」

......続きはZAITEN10月号で。

購読のお申し込みはこちら 情報のご提供はこちら
関連記事

国際卓越研究大・東北大への「低配分」と「出資負担」

JR東日本「品川再開発」は〝絵に描いた餅〟

三菱UFJ「得意絶頂」でも〝高転びの足音〟

三井住友信託銀行が強行する「過酷リストラ」

IHI・三菱重工がうなされる「原子力船」失敗の悪夢

高市財政の「暴走」で米国の〝植民地化〟

【特集】客室乗務員の「質とモラルの低下」はなぜ止まらない

【特集】鳥取三津子社長に現役機長2名が「辞職勧告」

東京電力社員と家電メーカーの〝不適切な関係〟

西武HD「回転型ビジネス」の終焉