ZAITEN2025年07月号

scopeZ

厚労省の「6億円民間病院融資」が〝くせ者〟に流出

カテゴリ:事件・社会

 厚生労働省が管轄する独立行政法人福祉医療機構(WAM)が大阪市内の民間病院に6億円を融資した。ところが、詐欺罪で逮捕歴があり、反社会的勢力とのつながりが取り沙汰される人物が全額を引き出し、病院とは無関係の使途に資金が費消されたことが分かった。

融資は元国会議員の口利きで実行されたとされ、かつ、この病院のファクタリング債権は証券会社を通じて投資家に売買されており、病院を〈器〉にして血税が詐取される杜撰な融資の実態が浮き彫りになった形だ。

 問題となっているのは、大阪市旭区の真心会病院(許可病床数75床)を運営する医療法人真心会。同院では2019年頃から都内の医療コンサルM社がファクタリングを含む事務全般を請け負っている。ファクタリングとは、診療報酬債権をファクタリング会社に売却して早期に現金化する資金調達のこと。実際の医療行為から診療報酬の入金まで3カ月程度かかるため、資金繰り改善の手段として医療機関で普及している。真心会は21年、WAMから6億円の融資を受けた。当時は新型コロナウイルス禍で資金繰りに窮した全国の医療機関からWAMへ融資の申し込みが殺到していた時期で、審査に時間がかかっていた。

......続きはZAITEN7月号で。

購読のお申し込みはこちら 情報のご提供はこちら
関連記事

みずほ銀行「自宅待機5年裁判」判決が最高裁で確定

オープンハウス「特殊詐欺事件」元社員の無自覚

駿台予備校「外道講師」を〝事件後3年放置〟

消費者庁&厚生労働省「香害放置」の怠慢

読売新聞「大誤報連発」の〝噴飯釈明〟

IT上場「SHIFT」関連会社の文化財所有に懸念

【特集2】ビジョンなき「タワマン乱造」の成れの果て

【特集2】大東建託の火災保険「押し売り商法」

オープンハウス元社員が裁判で「不可解な動機」を証言

朝日新聞「選挙公報」折込で〝水増し発覚〟