【記事無料公開】明治「R-1はコロナに効く⁉︎」の悪辣"便乗"営業

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みなさん、緊急事態宣言後は「Stay Home」中でいらっしゃることと思います。でも、それを逆手に取り、高齢者や子どもを狙う悪質な"詐欺商法"が増えているようですので、是非とも気を付けて頂きたいところ。

とはいえ、悪質商法といえば、無名のいかがわしい業者を思い浮かべられることと思われますが、然に非ず。超大手企業も、新型コロナウイルスに便乗した問題商法を行っていたのです。そこで今回は特別に現在発売中の本誌「ZAITEN」6月号(5月1日発売)掲載の《明治 「R-1はコロナに効く⁉︎》の悪辣"便乗"営業》を以下に無料公開いたします。

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 毎年、インフルエンザ流行の時期になるとCMを大量投入する明治「R‐1」ヨーグルトの赤いパッケージを見たことがないという人はあまりいないだろう。

 この商品は通称「R‐1乳酸菌」と呼ばれる明治が選び抜いた乳酸菌を使ったヨーグルトで、EPS(多糖体)という成分を産出するらしい。しかし、商品説明は「たくさんの新しい可能性を秘めている」という漠然とした表現のみにとどまっている。にもかかわらず、巧妙なイメージ戦略や販促活動によって高機能ヨーグルトとしてのイメージを定着させてきた。

 この「R‐1」は、過去にはテレビ番組内で「『R‐1乳酸菌』を摂取すると免疫力が高まり、風邪やインフルエンザを予防する効果がある」と不自然な紹介がなされるなど、〝ステマ疑惑〟が浮上したこともあり、優良誤認を招きやすい曰く付き商品だ。

コロナで子ども・老人狙い

〈新型コロナウイルスで学校が休校になり、平日昼間は子どもたちだけを残し、仕事に出ています。子どもたちは、大人がいない時には、余程のことがなければドアを開けたりはしません。

 しかし先日、何回もインターフォンが鳴らされ、ドアをダンダンダンと叩き続けられたので、中学生の長男がドアを開けました。すると、そこには明治の社員と名乗る男性が立っていて、玄関に入り込み「R‐1」ヨーグルトの営業を始めたのです。

「新型コロナウイルスが今流行っているのは知っていますよね。この『R‐1』は新型コロナウイルスの予防になります」と、その営業マンはチラシを差し出し、子どもたちに見せました。さすがの子どもたちもこれは怪しいと思い、頃合いを見て話を打ち切ろうとしたそうです。

 しかし、担当者は最近掲載されたという明治の新聞広告を出し、「R‐1」の営業を続けました。

「新聞にも書いてありますが、『うがい』『手洗い』『R‐1』は、新型コロナウイルス対策に必要です。ほら、この新聞にも『はじめよう体調管理』って書いてあるでしょ」と語り、大人が誰もいないところで「R‐1」を子どもたちに売り込んでいたのです。

 その状況に困惑した長男が「親に相談してもいいですか?」とスマホを取り出し、チラシの写メを私のところに送ろうとすると、その明治の人は、話を打ち切り逃げて帰ってしまったそうです。

 その様子を外から見ていたお隣の87歳のおばあさんが、「実はお宅に来る前に、ウチにもあの明治の人が来て、なかなか帰ってくれなくて困ったんだよ~」と、後から私に教えてくれました〉(読者のメールより)

 明治の社員が新型コロナウイルスで混乱する一般家庭を回り、親が留守中の子どもや独居老人ばかりを狙い、「コロナに効くヨーグルトです」と営業しているのだ。

 記者がツイッターを検索したところ、〈明治の人が来て、『コロナが流行っているから免疫が高まるR‐1を配ってます』って〉(3月7日)、〈保育園で明治からコロナ感染拡大防止のためにR‐1が1本ずつ配られたのだけど〉(3月17日)などの書き込みを見つけることができた。

 そればかりではない。連日コロナ関連のニュースが増加する中で、頻繁に使われている「うがい」や「手洗い」というキーワードと絡めた新聞広告を、この時期に敢えて積極的に展開しているようにも見える。現に、読者の家に来た営業マンも新聞広告を見せながらあたかも「うがい」「手洗い」と「R‐1」が同等の〝コロナ予防〟にもなる体調管理対策だと子どもたちに語っていたではないか。

 営業マンの対応に苦慮した中学生の長男が読者に送ろうとしたチラシの撮影日は3月18日であったが、編集部の調べによると、その前日の17日の日経新聞や朝日新聞に営業マンが見せた「R‐1」の広告が掲載されていた。

 広告掲載のタイミングを狙い、営業活動を重点的に行っていたと思われる。

 この件について明治広報に取材を申し込んだ。ところが、明治広報は「弊社社員が一般消費者宅に個別に訪問して販売契約を行うことはありません」と言うばかり。また、新聞広告の表現についても「使用している広告の表現につきましては、問題ある表現とは認識しておりません」と回答。

「この広告表現は従来から使用しており、日常の体調管理の一助として、ヨーグルトの喫食による健康的な生活をイメージした表現です」と宣うのだ。

「明治の宅配」の営業マン

 確かに従前から使用している広告表現だろうが、新型コロナウイルスで不安が高まっているこの非常時に「うがい」「手洗い」という言葉が並べば、消費者には〝日常〟とは違ったイメージを植え付けることになるだろう。

 明治広報の通り一遍の回答に納得できなかった記者はさらに、「読者宅を訪れたのは子会社や代理店の社員ではないのか」「明治の社員を名乗るそれらの社員と明治は一切関係ないと言い切れるのか」「無関係の人間がなぜ一般家庭で販売活動を行っているのか」「新型コロナに効くヨーグルトと優良誤認する危険性についても議論がなされたか」など数々の質問を計4回にわたり投げかけたが、明治広報は定型文のような回答をFAXで送り付けてくるばかりであった

 しかし再度チラシの写真を確認したところ、裏面が透けて見え、「明治の宅配」という文字を読み取ることができた。

「明治の宅配」は明治の公式サイトでもしっかり紹介されている正規の明治の事業である。営業担当は明治の特約店(各地域の牛乳販売店)であり、明治と連なる「明治の営業マン」である。それを「弊社とは関係ない」と言い切ってしまっていいのか。

 結局、広報が自分たちに都合のいいように言辞を弄して取材を撹乱させようとしたに過ぎない。この会社は取材や消費者を巧妙に欺くことしか考えていないようだ。

 やはり〝ステマ疑惑〟をやらかした企業だけある。

ちなみに、5月1日発売の6月号の「新あきれた広報実話」では、同問題を巡る明治の"ありえない取材対応"をレポートしておりますので、そちらも是非ともご購入の上、ご覧ください!

なお、本誌では明治をはじめとする、コロナ禍便乗商法に関する情報提供を以下の公式サイトフォームおよびメールアドレス他で募集しております。なお、情報源の秘匿については絶対ですので、その点についてはご信頼ください。

【情報提供フォーム】
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ZAITEN編集部電話】
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【記事告知】Jトラスト「アジア投資」が逆噴射の危機

"異形の金融人"として知られる藤澤信義氏率いるJトラスト。金融、不動産、アミューズメントと事業領域を拡大し続けてきた。とりわけ、近年注力していたのが東南アジアでの金融事業だったが、風雲急を告げる状況のようだ――。

そんな同社の動向を、独立系の企業・経済情報サイト「アウトサイダーズ・レポート」を主宰し独自の分析を発信するジャーナリストの半田修平氏が本誌「ZAITEN」2020年6月号(5月1日発売)で報じている。題して《Jトラスト「アジア投資」が逆噴射の危機》。以下はその冒頭部分である。

 東大医学部保健学科卒の藤澤信義率いる東証2部上場のJトラストに暗雲が垂れ込めている。

 2013年、14年3月期は連続して100億円超の営業利益を上げ、時価総額も一時4000億円を超えたが、その後は巨額赤字を連続し、株価は凋落。現在の時価総額は250億円(4月20日終値)に低迷している。問題は海外投資の失敗だ。既存の金融事業セグメントはピーク時より規模は縮小しているものの40億円弱の黒字を維持しているが、海外事業が毎年、既存事業の黒字を食い潰す巨額赤字を垂れ流している。

タイ金融会社で相次ぐ訴訟

 Jトラストが海外投資に乗り出したきっかけは13年7月に実施した巨額のライツオファリングである。これは既存株主に新株予約権を無償で割り当て、行使を促して資金を調達するもの。当時、持ち株比率47%の株主だった藤澤が率先して行使し、約1000億円の調達に成功した。このうち145億円を整理回収機構への借入金返済に回し、14年9月に約150億円で韓国のSC貯蓄銀行(現JT貯蓄銀行)を、11月に約400億円でインドネシアのムティアラ銀行(現Jトラスト銀行)を買収した。そして15年3月から17年3月にかけて、タイで小口金融を営むグループリース(GL)の転換社債に2億1000万ドル(約230億円)を投じた。

 だが、GLへの投資は完全な失敗と言える。GLはタイの上場企業であるから、Jトラストは転換社債の評価を社債部分と新株予約権部分に分けて認識することで、GLの株価が上昇すれば利益が出る仕組みにした。これで16年3月期は26億円の評価益を計上。17年3月期も第3四半期までは46億円の評価益を出していた。

 ところが17年3月頃に、GLの監査法人が一部の取引に疑義を呈したことでGLの株価が下落。一転して31億円の評価損を計上することになった。そして、同年10月にはGLの代表がタイ証券取引監視委員会に告発された。

 そこでJトラストは一計を案じる。......

続きは現在発売中の6月号をご購入の上、お読み頂きたい。

【6月号詳細・購入ページ】
http://www.zaiten.co.jp/latest/2020/04/zaiten-20206.html

なお、半田氏は自身のアウトサイダーズ・レポートでも特報しているので、是非ともそちらもご覧頂きたい。

【アウトサイダーズレポート】
金融グループJトラスト、アジア投資の「負の連鎖」(1)タイ転換社債「Gloup Leas」で訴訟戦術が裏目、短期利益追求で巨額損失 中経を重視か

「ZAITEN」6月号は本日発売です。

「ZAITEN」5月号は、本日発売です。是非とも全国書店や弊社にネットご注文の上、ご購入くださいませ。
(なお、現下の流通状況およびゴールデンウイークの関係上、ご発送にお時間がかかる場合がございます)

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今号の特集は......

ヤフーニュース「メディア支配」の実態

いまや我が国のデジタルニュースの覇者になった格好のヤフーニュースについて論考を展開しています。

その他にも

コロナ禍に便乗した明治「R-1」ヨーグルトの悪辣商法

安倍が"命"の亀仙人「太田次官」誕生で財務省崩壊――森友問題「ノンキャリ自殺」遺書公開の裏で...

東京五輪「コロナ延期」IOC・電通の"銭ゲバ"

など、ラインナップ豊富です。6月号の全ラインナップは下記URLをご覧くださいませ。

【ZAITEN最新号案内】
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なお、弊社サイトでは、発売日より少し早めにZAITENを入手できる「定期購読」も受け付けております。

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本日の日本経済新聞朝刊に新刊『慶應大学法学部卒女子プロが教える ゴルフ「脳内整理」メキメキ上達術』の告知が掲載されています

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本日4月4日の「日本経済新聞」朝刊7面に現在好調発売中の弊社最新刊『慶應大学法学部卒女子プロが教える ゴルフ「脳内整理」メキメキ上達術』の告知が掲載されています。

大学入学で初めてクラブを握り始め、卒業後に就職しながらもゴルフへの思いを断ち切れずに退社、一念発起してプロゴルファーになった著者、永野千秋さんだから伝授できる「ゴルフ上達のメソッド」が余すところなく盛り込まれた一冊に仕上がっています。

新型コロナ禍で外出できない今だからこそ、ご自宅で『ゴルフ「脳内整理」メキメキ上達術』を読んで、なかなか上達の糸口を見つけられなかった、今までのゴルフライフをチェンジしてみませんか?

ビジネスマンゴルファーのみならず、全国のゴルフ愛好家のみなさん、是非とも本書をご一読ください。全国書店、あるいは、弊社で直接ご注文の上、ご購入のほど、よろしくお願いいたします。
(書店流通の関係上、弊社から直接ご注文の方が迅速にご購読いただける状況になっております)

TBS系「サンデーモーニング」でもお馴染みの"屋根裏のプロゴルファー"タケ小山さんも推薦!

【詳細ご案内ページ】
http://www.zaiten.co.jp/bessatu/

【クレジットカードでのご購入ページ】
http://www.zaiten.co.jp/shop/html/products/detail/59

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日本経済新聞朝刊に「ZAITEN」5月号の告知が掲載されています

本日4月2日の「日本経済新聞」朝刊4面に、現在発売中の本誌「ZAITEN」2020年5月号の告知が掲載されております。
是非とも全国書店や弊社に直接ご注文の上、ご購入くださいませ。

【ZAITEN最新号案内】
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「ZAITEN」5月号は本日発売です。

「ZAITEN」5月号は、本日発売です。是非とも全国書店や弊社に直接ご注文の上、ご購入くださいませ。

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今号の特集は......

・ヤバい地銀 遠藤金融庁「強制再編」と「職場荒廃」で今際の際

その他、東芝やみずほフィナンシャルグループ、アクセンチュアなど、ラインナップ豊富です。5月号の全ラインナップは下記URLをご覧くださいませ。

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http://www.zaiten.co.jp/latest/


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【記事無料公開】小池百合子も知らないテキトーな「都営地下鉄」の実態

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新型コロナショックで開催延期が決定した東京オリンピック。

小池百合子東京都知事は当初、「花見の自粛」要請などと悠長に構えていたのに、五輪延期が決まった途端、「首都封鎖」も検討と、突如、"非常事態"モードに豹変しました。人口比から見て東京の感染者が異様に少ないとの指摘もありますが、自身の都知事選を睨んでのパフォーマンスに見えるのは穿ち過ぎでしょうか。

しかし、そんな都知事の下、都職員も弛緩しているようで......。今回は、そんなことを物語る、2020年4月号(3月1日発売)掲載の記事《都営地下鉄 英語アナウンスで「注意喚起」を省略》を無料公開します。

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〈私は10年近く日本在住しているアメリカ人で、都営地下鉄新宿線に毎日乗っています。

 最近は、オリンピックも近くなり、たくさんの外国人が都営地下鉄を利用するようになっています。そんな中、車内で流れる英語のアナウンスで、腹を立てていることがあります。

 通常の日本語のアナウンスでは駅の乗り換え情報の他にも「一部電車とホームとの間が空いておりますのでご注意ください」などとアナウンスが流れます。

 しかし、その後に流れる英語のアナウンスは乗り換え情報のみで、注意に関するアナウンスは一切流れないのです。注意する必要があるのは外国人も同じじゃないですか。これは外国人差別だと思います。ヒドイですよ!〉(読者のメールより)

 普段からなんとなく聞き流している地下鉄の車内アナウンス。まして、英語のアナウンスで何を話しているかなど、これまで気にしたことがあっただろうか。

 しかし、ここ数年、明らかに日本国内には外国人労働者や外国人旅行客が増加している。

 実際に都営地下鉄に乗り込み、車内アナウンスを調査したところ、いくつかの駅の到着前に流れるアナウンスでは、日本語と英語で内容が異なっており、もっとも重要な注意喚起のアナウンスが省かれていたのである。

 この件につき早速、東京都交通局総務部広報担当の永井氏に取材を申し込んだ。すると、注意喚起情報を端折っているのは「事実」と認めた。

「英語のアナウンスの文面はまず当局の職員が日本語で考え、その後、委託業者に翻訳を依頼しています」

 この英語放送は1991年に都営地下鉄大江戸線開通時から始まっている。最近では2018年と19年に緊急時(地震発生時)のアナウンスが日英中韓の4カ国語で追加されているらしい。

 しかし、なぜ、日本語と英語のアナウンス内容を変えているのだろうか。むしろ不慣れな外国人にこそ危険個所を教えるべきではないのか。

「次の駅名や乗り換え案内などの基本情報は必ず英語でアナウンスするよう、優先順位をつけて多言語対応しているのが現状です」と永井氏。注意喚起情報は基本情報ではないのか。

「今までこのような意見をいただいたことがなかったのですが、この取材を通して認識させていただきました。無下にしているとか、差別しているとかそういうことではないので......」

 このような言い訳をしているヒマがあったら、早く改定するべきである。しかし、都営地下鉄では英語アナウンスの改定予定は「今のところない」という。

 オリンピックの主催者である東京都の公共交通で、このような危険な状態を放置するなどもってのほか。今以上に外国人客が増える中、事故が起きたらどうするのか。

 アナウンスを改定しないのなら、車掌が「アテンションプリーズ!」ぐらい言えるよう英語のアナウンスの練習をし、明日から即刻、取り組むべきだろう。

なお、この記事で報じた後も都営地下鉄は、外国人向けの英語アナウンスの改善について何も取り組んでおらず、危険な状態のままの放置しているのです。外国人旅行客が少ない今だからこそ、東京都は外国語アナウンスの改善に取り組むべき時。それとも、外国人旅行客が来なくなったから、この問題は先送りにしてもいいとでも判断したのでしょうか。

危ないのは外国人も同じです。本誌編集部は一刻も早く都営地下鉄の英語アナウンスの改善を求めます。

さらにこの記事が掲載された本誌4月号が発売された3月1日以降も、編集部には都営地下鉄の対応を問題視する声が寄せられています。その中で、都営地下鉄の新型コロナウイルス対策絡みの読者からのメールをご紹介します。

〈私は都営地下鉄三田線で毎日通勤しているものですが、通勤中にかなりストレスを感じていることがあります。
 というのは、巷ではこれだけ新型コロナウィルスが問題視されているのに、車内換気がぜんぜん徹底されていないのです。混みあっている電車の中で換気は必須だと思っています。
 私は問題だと思ったので、その都度駅員にクレームを言ったり、東京都の相談窓口に電話を入れたりしたのですが、3月5日にも窓は閉められたままで、一向に改善されることがありませんでした。
 その一方で都営大江戸線ではきちんと換気がなされていました。この違いは一体何なのでしょうか〉

果たして、都営地下鉄はどう答えるのか――。回答したのは、東京都交通局の広報担当。

編集部 都営三田線では新型コロナウイルス対策でいつから地下鉄電車内の換気をはじめたのでしょうか。

東京都交通局 3月5日から換気の対応を行っています。車内の窓開けについては、三田線とか大江戸線とか関係なく、各車両2カ所をごとに窓を開けて対応しています。

編集部 しかし、読者の話によると3月5日の三田線では換気の対応はなされていなかったとのことですが。

東京都交通局 私どもはコロナウイルス感染防止を図るために窓開けに取り組んでいますが、地下鉄を利用されているお客様方の判断で窓を閉じることもできるのです。なので、必ずしも乗った時に開いているかというと、そういうわけではないところもありますので、ご注意いただきたいというところです。

一方、こんな声も編集部に寄せられている。

〈新型コロナウイルスが初声死してイベントなどを控えなくてはいけないのに、都営地下鉄はまだ地下鉄のイベントをやめていない〉(読者のメールより)

事実、以下のようなイベントが告知されていた。

https://blacklabel.takarush.jp/promo/tetsutan6/

では、これに対しどう答えるのか。

東京都交通局 そうですね、現状、行っている状態ですね。

......と、新型コロナウイルスで混乱している状態で、都営地下鉄内でのイベント開催について、東京都交通局は何も疑問に思っていない様子でしたが、イベント期間は3月22日までであったので、何もやらずに放置後"自然終了"といった状態だったのです。

しかも、これだけではありません。

〈テレビなどで小池百合子さんが、新型コロナ対策として花見の自粛の声明を出しているのに、都営地下鉄の駅に花見のポスターが貼っているのはなぜ?〉(読者のメールより)

東京都交通局 場所やポスターの場所が分からないので......。場所さえわかれば......。

......というので、この件についても編集部では調査を敢行しました。すると、瞬間的に都営大江戸線の飯田橋駅で花見のポスターを何種類も発見。そのポスターには貼り出し期間が3月31日とのこと。以下が証拠写真です。

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(いずれも3月13日、都営地下鉄大江戸線・飯田橋駅通路で撮影)

連日連夜、小池知事が新型コロナ関連の声明を発表している中で、この有り様はいかがなものでしょうか。このポスター群も、都営地下鉄職員が誰も気づかないまま、期限の3月31日まで貼り続けられるのでしょう。それもこれもすべて、東京都庁の「お役所仕事」の一端と言えそうです。

ちなみに、4月1日発売の5月号の「新あきれた広報実話」では、この間の東京都交通局のいい加減な取材対応をレポートしておりますので、そちらもぜひご覧ください!

なお、本誌では東京都営地下鉄をはじめ、公共サービスに関する情報提供を以下の公式サイトフォームおよびメールアドレスで募集しております。なお、情報源の秘匿については絶対ですので、その点についてはご信頼ください。

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【記事無料公開】青木功・日本ゴルフツアー機構で「クーデター」勃発の背後

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昨日、一部夕刊紙が報じた日本ゴルフツアー機構(JGTO)の"内紛問題"。その詳細は「日刊ゲンダイ」(電子版)の記事《男子ゴルフツアーでクーデター 大量41人が青木体制に"NO"》をご覧頂きたいが、JGTOの問題を巡って本誌「ZAITEN」は、その会長に君臨するプロゴルファー、青木功氏の機構トップとしての資質をはじめ、ガバナンス問題を再三にわたって問題視してきた。そして、ここにきて青木JGTOが"破綻"の瀬戸際に立っているのは、本誌の指摘通りの展開と言える。

実際、青木執行部が青木氏の"お友だち内閣"に堕し、理事などの幹部たちがまさに我田引水のような機構運営に終始してきたのは本誌既報の通り。そこで今回、日刊ゲンダイ記事でもコメントを寄せているゴルフ評論家の宮崎紘一氏寄稿の本誌2020年3月号(2月1日発売)記事《JGTOが名門・岐阜関CCにもたらした 「2020ツアー日程」の災厄》を特別に無料公開したい。同記事で報じられる青木体制の姿は、まさにJGTOがゴルフ界の発展はもちろん、選手たちのために資することのない我利我欲の有り様に他ならない。

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「2020年のJGTO(日本ゴルフツアー機構)のスローガンは〝感動〟〝歓喜〟〝感謝〟です」

 昨年1224日、都内ホテルで開かれた今年のツアー日程の発表でJGTOの青木功会長がこう発した。その言葉からは、青木氏自身がトップに立っても一向に低迷脱出の糸口も掴めない現状を何とか打開したいという焦りが伝わってくる。

 だが、発表された20年の日程を見る限り、昨年とほぼ同様。それどころか、その裏には岐阜の名門コースを愚弄する由々しき問題が内包されていた。

 20年の男子ツアー日程は2試合増えて2試合減少(2増2減)で、昨年と同じ25試合が組まれている。

 新設された大会は、7月8日から12日までの「ゴルフパートナー・プロアマトーナメント」(茨城県・取手国際GC=賞金総額5千万円)と、1029日から11月1日までの「THE TOP(ザ・トップ)」(開催コース未定=賞金総額1億円)で、消滅した大会は、昨年米PGAツアーの日本初開催となった「ZOZOチャンピオンシップ」(賞金総額約11億円)と、「HEIWA・PGMチャンピオンシップ」の2試合。

 ただし、2増2減とは言っても、若手登竜門のチャレンジツアーである「AbemaTVツアー」は、昨年の15試合から12試合に減少しているため、全体的には後退しているのが実情だ。

顔に泥を塗られた岐阜の名門コース

 冒頭で指摘した由々しき問題は、新設されたザ・トップの開催を巡ってのことである。

 日程の中で、韓国PGAと共催の「Shinhan Donghae Open」(昨年は韓国で開催)を除いて、国内大会で唯一、開催コースが未定なのはザ・トップだけ。そこにJGTOの重大な〝失策〟が隠されている。

 ザ・トップは、愛知県名古屋市に本社を置くトップホールディングス(小田悟社長)が冠スポンサーとなる大会。同社は通信・OA機器の販売・工事・保守やエコ関連事業、旅行業、リサイクル事業など、6つのグループ会社で構成され、昨年の売上高は233億3千万円、中部・東海地区では知られた企業である。

 実は、同社が男子ツアーに関与したのは今年からではない。

 14年から昨年まで、歴史ある大会で知られる「東海クラシック」に特別協賛会社として名を連ね、その間、大会名も「トップ杯東海クラシック」とされていた。

 だが、同グループの小田社長は、「自分たちの目指していることを実現するには、自らが『主催者』になり、もっと新しいチャレンジをしていかなければならないと考え、このたび、20年での新規男子ゴルフトーナメントの主催大会を目指し、具体的な行動を起こすことにしました」と大会主催の主旨を語り、東海クラシックからの離脱に踏み切ったのだ。

 同大会は発足以来、東海テレビ放送と、東海ラジオ放送が主となって運営してきた。だが、どうせ大金を拠出するなら脇役ではなく、前面に出たい。小田社長がそう考えても不自然ではない。

 ただ、その実現に向けたJGTOとの動きが中部地区で大きな批判に晒されている。

 もともと、小田社長は本社のある中部地区エリアでの大会開催を望んでいた。そこで白羽の矢を立てたのが、岐阜県の名門コース「岐阜関カントリー倶楽部」(岐阜県関市)である。

 同CCは、名匠・上田治設計で1964年に開場、本オープンの66年には高松宮・同妃殿下が参列したという由緒あるコースで、これまで男女のメジャー大会をはじめ、多くのビッグゲームが開催されてきた。73年に開催された日本プロでは現役だった青木会長が見事に優勝を果たしている。

 トップの小田社長が名指しで開催を希望するのも頷ける名門コースであり、小田社長の要請を受けた同CCでは、「中部地区のゴルフの活性化」も考え合わせて、昨年1014日の理事会で検討、開催を承諾した。

 翌日の15日には、トップが小田社長による署名と印鑑捺印した「開催申込書」をJGTOに提出、受理されている。

 この開催申込書受理に至るまでは、トップの依頼を受けた大手広告代理店やJGTO担当者による綿密なミーティングが毎月のように行われ、小田社長との打ち合わせ、岐阜関CCへの数度の訪問も行われてきた。そして開催申込書受理後の1023日には、JGTOと広告代理店担当者と岐阜関CC側とで契約に関する最終確認まで行っている。さらに、1111日、JGTO会議室では、青木会長、上田昌孝専務理事、佐々木孝悦常務理事(事務局長)、村田一治理事、佐藤信人理事らに加え、代理店幹部や担当者が集まり、実施要項、岐阜関CC理事長訪問の調整、同CCとの契約案などについて、綿密なミーティングが行われた。

 およそ半年後の6月開催に向けてすべてが動き出していたのだ。

皇族参加イベントにごり押し依頼

 ところが、事態は一変する。

 1128日、トップから6月から11月への日程変更の通知書(提出済みの申込書の取消書を含む)がJGTOに提出された。

 JGTOはトップの要望に応えて、1週間後の12月6日、開催登録承諾書を返送している。だが、この間、岐阜関CCには何の相談も報告もなされていない。開催コースでありながら完全に蚊帳の外で話が進んでいた。

 本来なら、直ちに開催コースに相談すべき事案だが、青木会長はそんな常識すら持ち合わせていないようだ。開催コースの日程変更など「オレが電話を入れれば簡単にクリアできる」と思っていたに違いない。

 実際、日程変更了承後、青木会長は、岐阜関CCの関谷均常務理事(同コース所属の森口祐子プロの夫)に再三にわたって日程調整(変更の)依頼の連絡を入れている。

 連絡を受けた関谷常務理事はこの勝手な変更に、「6月の開催がすでに主催者(トップ)、JGTO、当該ゴルフ場において了解済み。そもそも、変更予定という期日はすでに別の予定が入っており、当倶楽部としては、ただただ困惑するばかり」とJGTOサイドに伝えた。

 トップが突然、日程変更を言い出したのには理由がある。開催申込ギリギリの11月になって、「HEIWA・PGMチャンピオンシップ」の大会中止の情報が飛び込んできたからだ。

 小田社長は、かねてより秋口開催を望んでおり、この空白になる期間の後釜に飛びついたのだ。

 小田社長にこの情報をもたらしたのは青木シンパの理事の1人。本来なら、主催者と開催コースの間に入って調整をしなければならない立場のJGTOの人間が、主催者の言い分のみを聞き入れ、自ら混乱を招くきっかけをつくったのだ。

 一方、岐阜関CCには、小田社長が望む11月の日程に応じられない重要な予定が入っていた。

 この期間、岐阜県が県を挙げて取り組む「ねんりんピック」(全国健康福祉祭)のイベントが開催されるのだ。

 ねんりんピックとは、高齢者を中心とするスポーツや文化、健康と福祉の総合的な祭典で、厚生省(現・厚生労働省)創立50周年を記念して88年にスタート。開会式には皇族も列席する、いわば「国民的行事」である。毎年各県で持ち回り、高齢者を中心とする国民の健康の保持・増進、社会参加、生きがいの高揚等を図り、ふれあいと活力のある長寿社会の形成に寄与することを目的としている。

 今年は岐阜県の開催で、県知事以下、県総出で準備を進めている。そのイベントの中にはゴルフ大会もあり、岐阜関CCが会場に選出されているのだ。

 皇族も並ぶ催しに、プロゴルフのトーナメントが割り込むことなど到底許されない。

 そこにJGTOが強引に大会を押し込もうとしたわけだ。岐阜関CCが困惑、怒るのも当然である。岐阜県は今年のNHK大河ドラマの舞台でもあり、国家的イベントのねんりんピックと併せ、新設トーナメントの開催で県のPRと振興をしていくと、ゴルフ場ばかりか、県全体が盛り上がっていた。そんな上げ潮ムードをトップとJGTOは無情に踏みにじったことになる。

 おそらく岐阜関CCは、トーナメント開催の要請は二度と受け付けないだろうと関係者は見ている。

日程発表の場で筆者についた大ウソ

 日程発表の会場で、筆者はこの件について質問した。するとJGTOの浦山豊競技運営部部長から驚くべきコメントが発せられた。

「まず断っておきますが、第1回目の開催申込書はあくまで確認書に過ぎず、効力があるわけではありません。また岐阜関CCさんでは、変更期日が『ねんりんピック』と重なっているそうですが、ゴルフ大会が行われるのは11月2日の月曜日であり、日曜日は練習指定日。それを止めればトーナメント(ザ・トップ)を開催するのも可能と思われます」

 つまり、岐阜関CC側が融通を利かせろと言うわけだ。

 だが、開催申込書が確認書に過ぎないというのは明らかなウソである。主催者の正式な署名と印鑑まで押されているものであり、これまでのすべてのトーナメントは開催申込書が受理された時点で開催決定となってきたのだ。

 こんなとぼけた回答をしているにもかかわらず、そばにいる青木会長は一言も発言しなかった。

〝被害者〟は、岐阜関CCだけではない。半年以上もかけて、大会実現に奔走した大手広告代理店も契約を外され、JGTOの大会窓口で動いた担当者の努力も水泡に帰した。

 すべての責任は青木会長とシンパの理事の面々にある。

 この騒動は、中部地区のゴルフ場全体やゴルファーに伝わり、猛反発が起きているという。

 それでも、主催者のトップは、中部地区のゴルフ場での開催を希望している。だが、名門・岐阜関CCに対しての非情な行為があるだけに、新たに開催に手を上げるコースはなかなかないだろうという見方が強い。

 JGTOと青木会長は本当に男子ツアーの復興を考えているのだろうか。

 今年の日程を見ると、昨年、米PGAツアーが日本で初めて開催し大成功を収めた「ZOZOチャンピオンシップ」も日程から外された。そのため、今季の賞金総額は約11億円減となった。ZOZOで獲得した賞金の50%を賞金ランキングに加算するという約束も反故されたことになる。

 石川遼選手会長は、「選手に夢を与える機会をなぜ奪ったのか」と、この時、反論したそうだが、それに対する明確な返答もないという。

 このように、ツアー発展への明確な政策がない青木会長とJGTO執行部に選手の大半が愛想を尽かして、辞任に追い込む機運も充満しているという。

 青木会長が発した言葉は、「感動」を与えるのではなく、自身が男子プロたちから「勘当」されるということなのか。

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【記事無料公開】ワタミ渡辺美樹「会長復帰」に異議あり

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かつて「ブラック経営者」の称号を欲しいままにしたワタミ創業者の渡辺美樹氏。2019年10月7日に会見を開き、再びワタミ会長に復帰した。しかし、参議院議員生活6年間で歳費を貪り食った無責任男の現場復帰は会社経営に暗い影を落とす――。2020年3月号で掲載した《ワタミ渡辺美樹「会長復帰」に異議あり》を無料公開します。

なお、本誌編集部ではワタミに関する情報を広く募集しております。些細な情報とお感じのことでも結構ですので、以下の公式サイト情報提供フォームおよび編集部メールアドレスなどで情報をお寄せください。情報源の秘匿については絶対ですので、その点についてはご信頼頂ければ幸甚です。

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 居酒屋チェーン「ワタミ」創業者の渡辺美樹が参議院議員選挙に出馬し、自民党議員となったのは2013年7月。その後、『週刊東洋経済』(2015年11月28日号)インタビューでは「ワタミに戻ることは1000%ない」と公言していたはずだが、人の言葉とはかくも軽いものか。

 昨年、渡辺は「残念ながらこの6年間、公約した財政再建や原発ゼロについて何一つ力を発揮することができなかった」「政治家としての自分への評価は0点」などと総括して政界を引退し、同10月1日にはワタミの代表取締役会長兼CEO(最高経営責任者)に就任、経営トップの座に舞い戻った。

 かつて「ブラック企業」との批判を浴びて主力である外食部門の売上が不振に陥ったワタミは、14年3月期の決算で上場以来初となる49億円の赤字を計上。翌15年3月期も128億円の赤字で債務超過寸前となり、当時グループの稼ぎ頭だった介護部門売却を強いられる創業以来最大の経営危機に直面した。

 その後、16年頃から、「和民」や「わたみん家」といった既存店舗を「ミライザカ」「三代目鳥メロ」など別ブランドに衣替えする〝ワタミ隠し〟を徹底。さらにかつては一貫して存在価値を否定してきた労働組合が社内に発足するなど、体質是正のための一定の取り組みを行ったことで、19年3月期の決算では営業利益が前年同期比6割増の10億円となるなど、ようやく回復基調に乗り始めていた。

 そうした努力により払拭されつつあった負のイメージが「再燃するのでは」との懸念が渡辺の会長復帰発表以来、SNSなどで渦巻いている。昨年10月7日に東京都内で開かれた復帰会見でも、案の定記者からそうした質問が上がったが、これに渡辺は「反省すべきところは反省する。これからのことを見て欲しい。今までのことは一切振り返らない」と断言した。

ブラック批判は過労自殺から

 広辞苑で「反省」は、〈自分の行いをかえりみること。自分の過去の行為について考察し、批判的な評価を加えること〉とある。「今までのことは一切振り返らない」と言い切る人間が何をどう反省するのか甚だ疑問だが、渡辺がこの復帰会見とほぼ同時に刊行した『警鐘』なる著書を読むと、その疑念はますます強まる。

「国会議員としての卒論」と称し、政府の財政危機を憂いてみせる同書の第3章で、渡辺はワタミの経営危機を次のように語っている。

〈こうした危機はわたしが議員になったあとに起こりました。会長の職を辞して経営から退いたのはワタミがすでに確かな成長路線に乗っていたからです。実際にわたしが参議院議員になった2013年は過去最高益を記録したほど業績が好調でした。ところが、当選と時を同じくして、ワタミに対する「ブラック企業」批判が巻き起こったのです〉

 まるで自分が会長にいる間は何も問題はなく、退任後にあらゆる問題が噴出したかのような筆致だが、事実は全く異なる。そもそもワタミに対する「ブラック企業」批判は、同社の女子社員が過労自殺した08年の事件に関して、神奈川労働者災害補償保険審査官が労災適用を決定し、これに渡辺がツイッターで反論して炎上した12年2月に始まった。この時、渡辺は当然まだワタミ会長だった。

 これを口火に、「たとえ無理なことだろうと、鼻血を出そうがブッ倒れようが、無理矢理にでも一週間やらせれば、それは無理じゃなくなる」「(部下を叱る際には)ビルの8階とか9階とかで会議をしている時、『いますぐ、ここから飛び降りろ!』と平気で言います」といった過去の発言が判明。

 さらに渡辺が参院選出馬を表明して以降、『週刊文春』が〈自民党参院候補 ワタミ渡辺美樹会長は〝Mr.ブラック企業〟これだけの根拠〉と題する記事を皮切りにワタミ糾弾キャンペーンを6週連続で展開するに至ったのである。

 渡辺は自分が会長だった13年3月期の決算を根拠に、経営危機は自分が議員になった後に起きたとしらばっくれるが、「ワタミ批判」とは、即ち渡辺個人への批判とほぼ同義であり、14年3月期決算での赤字転落も、世間が渡辺個人に浴びせた鉄槌に他ならない。渡辺が会長を辞任した13年6月末時点のワタミは、〈確かな成長路線に乗っていた〉どころか、トップ自身の手で破滅させられかけていたのだ。

いまだ過労死への謝罪なし

 第三者から見れば明白な経緯がありながら、渡辺はあくまで元部下への責任転嫁に余念がない。

〈2014年に業績が悪化したとき、自分が選んで任せた桑原豊社長を代えるかどうか悩みに悩みました。なんとか事業承継を成功させようと思い、必死になって桑原社長を支えてきたからです。しかし、事業承継なんて考えていたら、会社がつぶれてしまいかねませんでした〉(前出『警鐘』)

 このグロテスクな言い草には既視感がある。渡辺は参院選出馬表明後の13年8月2日の朝日新聞のインタビューで過労死について問われ、〈なぜ(自殺した社員を)採用したのか。なぜ入社1カ月の研修中に適性、不適性を見極められなかったのか。なぜ寄り添えなかったのか。本当に命がけの反省をしている〉と、一見反省するかのような態度を示しつつ、被害者を侮辱したのだ。そもそも渡辺は「批判を浴びたこと」への反省はたびたび述べる一方、過労死させた従業員やその遺族への謝罪の言葉は著書には一言もない。要するにこの男は、自分が悪かったとは思っていないし、自らの傲慢さがワタミを潰しかけたという事実をいまだに認められずにいるのだ。

 渡辺はかつて、自らが理事長を務める郁文館夢学園において教員への成果報酬を導入し、「いじめが起きたクラスの担任教師は給与を下げる」(『SAPIO』12年8月22・29日合併号)などと述べ、実際に生徒からの評価の低い教員の給与を下げている。この成果主義原則に従うなら、参院議員としての任期で「政治家として0点」を自認する渡辺は、6年間で受け取った議員歳費を返納すべきだ。

 また、自らの言葉に責任を持つ気が少しでもあるのなら、今からでも会長兼CEOを退くのが最低限の良心であろう。また、ワタミに対し、いくつかの質問を送ったが、同社広報は「取材はお受けしません」と回答した。(敬称略、肩書等は掲載当時のまま)

【記事無料公開】百十四銀行「情報漏洩」元行員逮捕の衝撃

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記事掲載から4カ月――。ようやくの逮捕劇だった。本誌「ZAITEN」2020年12月号(19年11月1日発売)で報じた四国・香川県最大の地銀、百十四銀行の顧客情報漏洩"事件"のことである。

逮捕された"元"若手行員たちの所業もさることながら、さらに度し難いのが、百十四銀の対応だった。

本誌掲載号の発売直前の昨年10月末に、30代元行員(当時は現役)が9月中旬に警察の事情聴取を受けていたことを"不祥事"として発表。本誌取材後の10月下旬にその行員を懲戒解雇に......。しかし、本誌記事の掲載が確定的になった後の駆け込み的な処分だったばかりか、実際は「懲戒解雇」と言えども、情報漏洩した当該行員には退職金まで支払っていたといい、およそ石もて追い出したわけではなかったのだ。

そして、ここにきての逮捕だったわけだが、現時点(20年3月5日18時現在)で百十四銀は何らの発表を行っていない。そこで今回、事件の第一報となった20年12月号記事《"行内文書"が流出していた疑いが...... 百十四銀行「行員が任意同行」隠蔽疑惑》を特別に無料公開したい。

百十四銀について本誌はこれまでたびたび報じてきましたが、同行に関する情報提供を以下の公式サイトフォームおよびメールアドレスで募集しております。なお、情報源の秘匿については絶対ですので、その点についてはご信頼ください。

【情報提供フォーム】
http://www.zaiten.co.jp/formmail/indict.php

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小誌ブログでは百十四銀について、過去、以下のような記事もアップしています。

・19年11月10日公開
【記事無料公開】セクハラ百十四銀行「色情と暗黒の10年」(1)

・19年10月31日公開
百十四銀行「情報漏洩で行員が警察に事情聴取」会見の姑息

114_ayata.jpg"似非創業家"三代目の頭取、綾田裕次郎

 四国・香川県最大の地銀である百十四銀行。昨春、20代の女性行員に対するセクハラ事件が起き、当時の会長、渡辺智樹が関与していたことを小誌が報じたのは、ちょうど1年前だった。取引先の地元ゼネコン最大手、合田工務店との会食の席上、同社社長の森田紘一(現在も社長在任)によるセクハラ行為を「制止できなかった」として処理されたが、渡辺自身も破廉恥行為に手を染めていた疑いは晴れていない。

 創業140周年という記念すべき年に起きた代表権者のセクハラ不祥事。渡辺は、当該記事を掲載した小誌18年12月号発売前日の昨年10月末、会長を辞任。銀行トップのセクハラ辞任は、前代未聞のスキャンダルとなった。

 渡辺はそれでも相談役に居座ったものの、小誌(19年1月号)が百十四銀の病巣の内幕を続報しコンプライアンスの欠如やガバナンスの不全を徹底追及。すると、金融当局や世論の厳しい批判に耐えきれないと判断したのか、百十四銀は渡辺相談役を今年3月末で退任させるとともに、相談役制度の廃止を決めた。これにより、渡辺の前任の元頭取、竹崎克彦も相談役から去ることになった。

 その結果、会長・相談役不在のまま、「創業家」を僭称する綾田家出身の3代目(初代=整治、2代目=修作)の綾田裕次郎が頭取として名実ともにトップに君臨するワンマン体制が現出している。

任意同行された若手行員

 それから半年――。百十四銀関係者は行内の状況をこう明かす。

「慶大卒で1982年入行の裕次郎は、若くして頭取を約束されていたボンボンですが、修作から特に帝王学を受けたわけではない。17年4月の頭取就任時、慣例を破って〝使用人〟の渡辺会長に代表権を与えた時から、両者はズブズブの関係で、同じ穴の狢。今も上を忖度する行内風土は変わっていませんし、役員室との距離で決まる人事も相変わらずです」

 組織の腐敗は続き、人心の荒廃も進んでいるというわけだ。しかも、そんな行内風土を象徴するかのような〝事件〟が今秋になって起きていたというのである。

 舞台となったのは、大阪府東大阪市にある、県外中規模支店の東大阪支店。白昼堂々、警察の捜査員が支店を訪れ、勤務中の若手行員に任意同行を求めたのは、まだ暑さが残る9月のことだった。

「突然の出来事で、現場に居合わせた行員は何が起きたのか分からず、呆気にとられていたそうです。無論、事情説明などはありませんが、あらぬ噂をSNSなどで拡散しないようにという趣旨の通達が唐突に出されました。その若手行員は現在、人事部付で本店ビルに出勤しているようで、そのうち何らかの懲戒処分が下される予定です」(別の百十四銀関係者)

 任意とはいえ、金融機関の現職行員が警察に連行されるのは、極めて異例。一体何があったのか。

「今夏に起きた、ある詐欺事件に絡んだ捜査の一環と見られています。その関連で、香川県警は高松市内に住む男ら3人を逮捕している。直接の容疑は、3容疑者のうちの1人が親類からカネを詐取した疑いですが、捜査段階で〝ある文書〟が出てきたため、若手行員が事情を聞かれたようです。もっとも、警察発表では3容疑者は否認しているようですが」

 事情通はこう解説する。

 この事件は香川県内の地元紙でさえベタ記事扱い。記事を素直に読む限り、単なる仲間内の揉め事という印象が強いのも確かだ。

元支店長「逮捕」の過去も...

 しかし、ある地元関係者は、事件の背景についてこう解説する。

「逮捕された3人のうち、主犯格の1人は、地元の一部では知られた元暴力団員。この男は10年ほど前にも、香川県内の民家に拳銃を持った男が押し入った事件に絡んで、殺人未遂や銃刀法違反などの疑いで逮捕されています」

 何やらキナ臭い話だが、さらに取材を進めると、任意同行された百十四銀の若手行員と元暴力団員とを結びつける新たな事実が浮かび上がってきた。

「実は、この事件に極めて近い関係者の息子が百十四銀の元行員だったのです。現在は辞めていますが、任意同行された若手行員とは同期入行組で、2人とも東大阪支店の勤務経験があり、仲が良かった。〝ある文書〟がその関係者周辺から出てきたとすれば、警察が詐欺事件の捜査に絡んで百十四銀の現職行員に事情を聞いたのは、その息子との接点を疑ったからではないか」(別の関係者)

 即ち、「ある文書」とは百十四銀の顧客・取引先名簿である疑いが濃厚だというのだ。

「仮に、百十四銀の顧客名簿を現職行員が外部に持ち出し、その個人情報が漏洩しただけでも一大不祥事ですが、それで終わる話ではない。元暴力団員の手に渡り、裏社会に流出して、振り込め詐欺などの特殊詐欺に使われた可能性を考えると、ゾッとします」(同)

 反社会的勢力と言えば、百十四銀は09年に大阪・九条支店で起きた元組員への不正融資事件で、元支店長ら2人が逮捕され、有罪判決を受けた過去がある。この事件で業務改善命令を受け、再発防止を誓ったはずだった。今回と性格は異なるものの、10年経って再び反社会的勢力との関係を疑われるようでは、事件の教訓は何も活かされていなかったと言わざるを得ない。

 では、百十四銀はどう答えるのか。これまで小誌取材を頑なに拒否し続けてきた百十四銀広報。当の東大阪支店長を直撃すると、当初は10月に赴任してきたばかりとして、行員の任意同行は「把握していない」と答えていたものの、追及に一転、「お答えしかねる」と事実関係を否定しなかった。

 疑似創業家の威光を背に、今や「現役幹部はもちろん、初代・2代目に恩顧のあるOBたちも、渡辺頭取時代とは違い、裕次郎頭取には全く物申せない状況」(有力OB)。実際、綾田との距離を頼みに、パワハラをしてもお咎めなしで主要店舗の支店長などに出世する輩が跋扈し、まるで「3代目が支配する北朝鮮さながら」(同)の有り様という。一方で若手・中堅の退職は相次ぎ、金融当局も綾田家支配に苦り切っている。  もはや自浄作用は望むべくもない百十四銀。正常化には〝外圧〟しかないようである。(敬称略、肩書等は掲載当時のまま

これまでも報じてきた通り、もはや"不祥事"発覚が年中行事となった感のある百十四銀。しかし、トップや行員の素行のみならず、不祥事案を隠蔽、さらには上層部との"距離"によって処分の軽重を差配する、そのガバナンス危機にこそ、問題の所在があると言える。

なぜ逮捕された元行員に退職金を支払ったのか――。本来であれば、本誌のような東京所在の媒体ではなく、地域に密着した地元メディアこそ、追及の狼煙を上げるべきだが、どうやら香川ではそのような自浄作用は望めないようだ。腐敗する傲慢地銀に、切り込めないメディア......香川県民に自らが"蚊帳の外"であるという自覚はあるのだろうか。