ZAITEN2024年08月号
当局からもお咎めなし
【特集】小林製薬「紅麹サプリ問題」小林親子は辞任せよ
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「安全軽視企業」に未来ナシ!
繰り返されるトラブル、組織のガバナンスは崩壊...
小林製薬のサプリメントを摂取していた消費者に腎疾患の症状が相次ぎ、5人の死亡者も出る最悪の人災となった「紅麹サプリ事件」。小林製薬では今年3月22日に紅麹を使用したサプリメント商品3種類、約30万袋を自主回収すると発表し、同27日には大阪市も小林製薬に対し3つの商品を回収し、回収が済みしだい廃棄せよとの行政命令を出した。だが、問題の発覚から3カ月が過ぎた今も、被害は拡大を続けている。
厚生労働省によると、小林製薬の3種類の製品を摂取した消費者のうち体調に異変を感じるなどして医療機関を受診した人は4月末時点で1528人、入院治療を要した人は266人だった。この数は6月12日時点で医療機関受診者が1637名、入院患者数は285名(いずれも延べ人数)と、6月以降も増えているのだ。
健康被害を被った患者や遺族への補償費用、自社製品の回収コストに加え紅麹原料を提供していた他社製品の回収費用負担も加わり、これらが最終的に小林製薬の経営をどれほど圧迫するかはまだ計り知れない。
同社は5月10日、2024年12月期の第1四半期(1〜3月期)において、製品回収などにかかる費用の発生により特別損失38億円を計上したと発表。同時に製品回収や健康被害の医療費支払いなどの影響を「見極めることが非常に困難な状況」であるとして、今年2月の連結業績予測で見込んでいた同期の売上高と純利益を、いずれも「未定」に変更を余儀なくされた。事件発覚前は売上高で前期比7%増の1856億円、純利益で前期比1%増の205億円を見込んでいたが、今や「春の夜の夢のごとし」だ。
製造工場は「カビだらけ」
これほどの重大災害がなぜ引き起こされたかについては、原因物質の特定には未だ至らないものの、少しずつ解明されつつある。 小林製薬ではこの問題が発覚した直後から厚労省などに対し、健康被害が生じた製品ロットから、通常は混入が想定されない、「プベルル酸」と呼ばれる青カビが生成する天然化合物物質が検出されたと説明してきた。
......続きはZAITEN8月号で。