ZAITEN2024年12月号

消費税率15%へ「社会保障と税の一体改革2・0」

石破ー野田佳彦で財務省が狙う消費税増税

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 長年の「党内野党」暮らしで権力基盤が脆弱な上、自民党派閥の裏金問題に祟られ内閣支持率も発足時としては歴代最低水準に沈む石破茂政権。石破は局面打開への乾坤一擲とばかりに首相就任わずか8日後の衆院解散・総選挙に打って出た。「打倒自民」に勢力を結集できない野党側の体たらくにも助けられ、「公明党と合わせた与党では過半数割れを回避する」(永田町筋)との見方が強いが、これでは首相の求心力など高まるはずもなく、不安定な政権運営を強いられるのは必至の情勢だ。  

 そんな弱体政権に使い勝手の良さを見出し、自らの意のままに操ろうと考える不届き者が霞が関にはいる。10年近くにわたって続いたアベノミクスと、その残滓とも言える岸田文雄前政権のバラマキ財政で煮え湯を飲まされ続けてきた財務省のことだ。  時あたかも野党第一党の立憲民主党代表にはかつて消費増税を柱とする「社会保障と税の一体改革」で抱き込んだ元首相の野田佳彦が就いた。反アベノミクスへの心情から財政健全化を支持してきた石破との組み合わせは、財務省からすれば、増税路線の再起動に向けた「惑星直列」(前経済安全保障担当相の高市早苗周辺筋)にも映る。共に厚生労働担当主計官を務め、社会保障制度に精通した事務次官の新川浩嗣(1987年旧大蔵省)と主計局長の宇波浩貴(89年同)のコンビは、千載一遇のチャンスとばかりに「一体改革2・0」を仕掛ける機会を虎視眈々と窺う。

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