ZAITEN2025年08月号

学校法人購入の不動産を私物化か

帝京大学「冲永理事長夫妻」の〝公私混同〟疑惑

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「冲永佳史氏と寛子氏は、学校法人の公費を用いて、私的に利用する目的で巨額の不動産を購入し、私的に占有し続けています。しかも、不動産の所有者である帝京平成大、帝京大、冲永学園の3つの学校法人に賃料を支払っていない疑いもあります。これは学校法人の理事長という権限を利用した、法人資産の悪質な私物化ではないでしょうか」

 こう指摘するのは、帝京大学グループの内情をよく知る関係者。帝京大グループ総帥の冲永佳史と、その妻の寛子が、法人資産の私物化を行っているというのだ。疑惑について詳らかにする前に、帝京大グループについて触れておこう。帝京大グループは、帝京大、帝京平成大、帝京科学大の3大学をはじめ、あわせて9つの学校法人を傘下に入れている巨大組織だ。短期大学や専門学校、中学校、高校、幼稚園・保育園に加えて、帝京大グループの海外キャンパスや日本語学校などの語学学校、さらに病院、特別養護老人ホームなど、運営する組織は多岐にわたる。組織の大きさ以外にも学校法人として特異な面がある。それはグループが保有する総資産が、学校法人としては考えられないほど大きな規模であることだ。

 本誌では2022年3月号で、『帝京大学グループ「巨額資産」と謎の土地』と題して、グループの巨額資産をめぐる内情について報じた。今回改めて23年度の貸借対照表を確認すると、帝京大は6487億円、帝京平成大は2217億円の資産を保有。この2大学だけで、日本一のマンモス大学である日本大学の総資産額7885億円を上回っている。さらに、公益財団法人を複数抱えており、最新の総資産額を明らかにしていない法人もあるものの、グループ全体で9000億円以上の資産を保有しているとみられている。特に、金融資産が占める割合が高い。帝京大グループが異様なのは、これだけの巨大な資産を抱えながら、グループ総帥の冲永佳史と妻の寛子の2人だけを中心としたガバナンス体制が確立されていることだ。  

 佳史は帝京大創設者の冲永荘一(故人)の次男として1973年に生まれ、慶応義塾中等部・高等学校、慶応義塾大学理工学部を卒業。荘一の退任に伴って、2002年に20代の若さで帝京大の理事長と学長に就任した。現在は帝京平成大の理事長も務める。

 妻の寛子は74年生まれで、神戸女学院中学部・高等学部から東京大医学部に進学し、医学博士の学位を持つ。

......続きはZAITEN8月号で。

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