ZAITEN2026年1月号

【対談】佐高信の賛否両論

佐高 信 vs. 古賀 誠「本当に強い国は国民一人ひとりの命を大切にする国」

カテゴリ:インタビュー

こが・まこと―1940(昭和15)年生まれ。福岡県山門郡瀬高町(現:みやま市)出身。議員秘書を経て、80年に衆議院旧福岡3区から初当選。96年に第2次橋本内閣の運輸大臣で初入閣。98年に国会対策委員長、2000年には幹事長に。「加藤の乱」以降分裂していた谷垣・古賀両派が合流した06年には、宏池会の会長(のち名誉会長)に就任する。12年、政界引退。02年から引退まで日本遺族会の会長も務めた。

「改革」から起こった自民党の危機


佐高:今日は古賀さんに、今後の自民党はどうなってしまうのか、ご意見を聞きに来ました。

古賀:いや、今日は私も佐高さんに話をうかがって、勉強したいと思っていたんですよ(笑)。

佐高:参議院で過半数を割ったうえに、先の衆議院選挙で過半数を割り、公明党が連立を離脱した。代わりに日本維新の会が連立に加わったけれど、自民党の危機的な状況には変わりないと思います。

古賀:秘書時代から数えて50年ほどこの世界に携わってきた私から見ても、これまで自民党の危機は何度もありました。  

 ひとつは三木武夫内閣時代に表面化したロッキード事件で起きた「三木おろし」。三木先生は結局衆議院解散をできずに、政権が移っていきました。

 あとは宮澤喜一内閣が政治改革で潰れたとき。また、麻生太郎内閣が議席を減らして潰れていった。こうして見ると、自民党には16〜7年に一度、曲がり角というものがやってくるんです。

佐高:麻生内閣の崩壊を呼んだのは、小泉純一郎内閣のいわゆる「聖域なき構造改革」からの影響も大きかったんじゃないですか。

古賀:ええ。小泉内閣の構造改革にしても、宮澤内閣の政治改革にしても、「改革」という名前で何かが変わったところで、すべてがいい方向に向かっていない。間違いだったと言っていいと思います。

佐高:「改革」というのは口触りのいい便利な言葉で、何を守って何を残すのか、という芯の部分があいまいなまま、「新しい」というイメージだけで使われてしまっている。それが混乱を呼ぶんですよ。「改革」から起こった大きな混乱といえば、中選挙区制を廃止したこと。私はこれに大反対の立場なんですが、中選挙区制に戻すということは難しいんですかね。

......続きはZAITEN1月号で。

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