ZAITEN2026年2月号
大手デベロッパーが仕掛けるだまし討ち
【特集2】新型「地上げ2・0」三菱地所「悪質地上げ」の強引手口
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都心の超一等地で進む総事業費1500億円規模の都市開発事業。 事業者である三菱地所の詐欺まがいな対応に住民は不信感を深め、計画は膠着状態である。
東京タワーの近隣に位置する東京都港区芝三丁目。都心の超一等地といえる場所だが、とりわけ西側区域一帯は、2、3階建ての一般家屋が多く立ち並ぶ住宅地となっている。周辺地域と比べて高層ビルがほとんどないこともあり、どこか昭和時代の路地を彷彿とさせるのどかな雰囲気だ。 しかしこの地区には、空き地や駐車場が目立つ。さらに住宅の壁には、この地区の住民有志が作成した「地権者のみなさまへ~再開発についてご注意ください」という張り紙が貼ってある。その内容は、「三菱地所レジデンスの担当者が訪問にて誤解を招くような話をされてみなさん、不安になっている」「担当者の言葉に『もう決まっている』と思わされても、あわてる必要はありません。実際にはまだ何も決まっていません」といった注意喚起だ。
この地区では都市計画決定前の準備段階ではあるが、開発計画事業が立ち上がっており、早急に開発を進めたいデベロッパー側と、慎重な姿勢を示す住民側との間で約7年半もの間、平行線が続いている。港区は、この状況を静観しており、事実上膠着状態だ。
だまし討ちのアンケート
計画名称は「芝三丁目西地区市街地再開発事業」。対象区域面積は同地区約2万7000平米。当初案によると、タワーマンション2棟(共に52階建て)と、オフィス棟2棟(同12階建て)が建設される。タワーマンションの低層階(1~2階部分)にはスーパーなどの商業施設が入り、中層階以上(3~52階部分)が住宅。当初案とは別に、オフィス棟1棟をなくし、代わりに地権者用住宅として管理費が低減される中層棟(15階建て)の建設計画も検討されている。総事業費は約1500億円。国の基準を満たせば国と港区などが負担し、補助金40億円の投入も予定される大がかりな都市開発事業だ。
......続きはZAITEN2月号で。







