ZAITEN2025年08月号

三菱商事を悩ます

JERA〝流出人材の梁山泊〟と〝魔性の女〟

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 株主ポピュリズムも極まれり、と言うべきか―。失笑噴飯の事態である。

「総還元性向は200%です」

 三菱商事の社長・中西勝也は5月2日、2024年度決算の発表会見の席上、こう語っていた。今期25年度の連結純利益は7000億円の計画。これに対し、株主還元は1兆円の自社株買いを断行、年110円の配当原資4000億円と合わせた総還元額は1・4兆円に達する。営業部門が稼ぐ純利益を全額吐き出すどころか、その2倍のキャッシュを株主へ進呈するのだ。経済産業省のある幹部は吐き捨てた。

 「そんなに余剰資金があるなら、『スリーダイヤの名に懸けてやり抜く』と豪語した約束を果たせ!」  

 というのも、洋上風力発電の撤退騒動が世間を騒がせているからだ。市場はそれを見越している。低迷する株価はやや上向いたものの、時価総額は11・5兆円水準にとどまり、11・9兆円近い伊藤忠商事には追い付いていない。今期純利益は伊藤忠(9000億円)、三井物産(7700億円)に抜かれ、3位へ転落する見通しだ。

燻る社長レースの〝因縁〟

 いや、洋上風力の追加減損次第で、競合2社にはもっと突き放されるだろう。その苦境は元を正せば、がむしゃらに社長の座へ駆け上った中西の不明と不徳に起因している。自業自得なのだ。  

 "時限爆弾"―。21年12月、三菱商事が圧倒的安値で総取りした、国の洋上風力入札の3海域案件は本誌25年3月号が報じた通り、今や巨額の赤字プロジェクトである。資材費、労務費の高騰を受け、中西は522億円に上る減損損失の計上を発表、事業撤退に傾いているが、責任放棄に対する世間の批判は根強い。撤退できなければ、追加減損の"時限爆弾"が炸裂するのだ。  

 批判の矛先は経産省にも向く。

......続きはZAITEN8月号で。

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