ZAITEN2025年08月号

公的資金も悪用の噴飯

いわき信組の「乱脈経営」は金融庁の怠慢

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「我が国の金融機関の歴史を見ても類例をみないほどに悪質な事案」。福島県のいわき信用組合による不正融資を調査した第三者委員会はこう断罪した。迂回融資や無断借名融資など不正貸し出しが2004年以降、20年以上にわたって続けられ、この他にも職員による横領の隠蔽や第三者委の調査妨害など、さながら「不祥事のデパート」の様相だ。

 金融庁はそんな不良信組の乱脈経営を長年見過ごしてきた。それだけでなく、12年には公的資金175億円を資本注入。本来、東日本大震災の復興に使われるはずの血税を原資としたこの資金が、不正融資の損失穴埋めに使われていたというから目も当てられない。「本来なら、金融機関の経営モニタリングを担当する局長や、長官のクビが飛んでもおかしくないほどの失態」(霞が関の経済官庁幹部)。だが、金融庁は今さら立ち入り検査に入り「不正融資の全容を解明した上、経営改善を強く指導する」などと戯言を繰り返すばかり。長官の井藤英樹(1988年旧大蔵省)をはじめ、幹部の報酬削減すらも行わない無責任ぶりは、預金者の不信を増幅させている。

公的資金で隠蔽工作

第三者委の調査報告書によると、いわき信組は遅くとも04年3月には不正融資に手を染めていた。02年につばさ信組と合併した影響もあり、建設や不動産業などを営む大口融資先X社への貸出残高が47億円を超え、大口信用供与等規制の限度額(約30億円)を大幅に上回ったのがきっかけだった。

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