ZAITEN2025年11月号
事後対応は子飼いに任せて〝出張三昧〟
【特集1】中西社長に問われる〝責任問題〟追及の大合唱
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洋上風力発電事業からの撤退、そして本誌が報じてきた垣内威彦会長の愛娘の縁故採用―。今、三菱商事社内では中西勝也社長への〝責任〟を問う声が静かに渦巻いている。
不穏な気配である。9月上旬、三菱商事に衝撃が走った。
「社長に脅迫状が届いたらしい。しかも、1通ではないようだ」
原因は言うまでもない。1週間余り前の8月27日に発表した、3海域の洋上風力発電事業の全面撤退である。社長の中西勝也は記者会見の冒頭、国策プロジェクトからの撤退を「断腸の思い」と語ったが、そのあと1時間で打ち切られた会見は言い訳の連続。「風車の建設費が当初の2倍以上に膨らみ、投資回収が困難になった」とインフレ影響を強調し、それを補塡する「制度が追い付いていない」と国の入札制度の不備まで指摘した。多方面の非難は激しい。
「謝罪会見かと思ったら、まるで独演会じゃないか」
とりわけ信頼を裏切られた地元、千葉県と秋田県の怒りは収まらない。中西のお詫び行脚に対し、同28日に面談した千葉県知事・熊谷俊人は「謝罪の態度ではない」と周囲に吐き捨てた。こうした中西の行動が脅迫状を招いたことは明らかだろう。 では、当の本人は今、どうしているのか―。
揺らぐ「社長の正当性」
「盛んに海外出張へ出ている。名目は各部門の事業視察だが、大半は遊びだろう」
社内からは怨嗟の声が上がる。中西の娘は海外で生活しており、脅迫状の実害の怖れは小さい。その家族と中西は出張を口実に団欒、ゴルフを楽しみ、グルメ三昧の日々という。下戸の中西はアルコールは呑めないが、好物のスイーツに舌鼓を打っていたらしい。
......続きはZAITEN11月号で。