ZAITEN2025年06月号

月刊ゴルフ場批評92

「川崎リバーサイドパーク(ゴルフ場)」批評

カテゴリ:月刊ゴルフ場批評

川崎リバーサイドパーク.jpg はじめに断っておくが、芝がないとかティーイングエリアが人工マットなどなど、ここで不平不満をいうのは野暮ってもの。多摩川の河川敷コースの「川崎リバーサイドパーク(ゴルフ場)」に、多くを求めてはいけない。

 都内から第二京浜(国道1号線)を進み、神奈川県との県境の多摩川を渡れば、そこは河川敷に広がるアーバンリンクス。9ホール、パー34、2259㍎という狭小スケールながら、そのうち5ホールでドライバーの使用が可能だ。

 プレーは手引きカートでの歩きスタイルで、平日は到着順というカジュアルスタイル。都心から近く、気軽にゴルフが楽しめるため人気になっている。  

 運営は一般社団法人・河川健康公園機構。コースの敷地は多摩川河川健康公園内にあり、クラブハウスともいえなくはない受付施設は、「多摩川交流センター」の玄関ホールにある。市民ランナーやサイクリスト、少年野球やサッカー小僧などなどが利用する、まさに「リバーサイドパーク」だ。

 隣には「川崎ゴルフ練習場」というドライビングレンジがあるうえ、コンパクトながらアプローチ練習場、パッティンググリーンも完備。ちょっと練習し、本番で試したくなったら目前のコースへという使い方ができる。初心者にも寛容なので、本コースデビュー前の肩慣らしに最適だろう。

 何といっても気軽にふらっと立ち寄れるのがいい。平日は到着順なので気候のいい時期は混雑必至だが、午後ハーフならどこかの組に潜り込める。皆さん慣れているらしく、同伴者にストレスを感じたことはほとんどない。

 一般料金は平日3700円、週末4300円(ともに9ホール)とリーズナブル。ジュニア(18歳未満や体育活動の学生)やシニアは平日割引があり、65歳以上3200円、ジュニアと70歳以上2200円と破格! 実際、平日の午前中はシニアで埋め尽くされる。

 スタート時は1番ティ横のスタート室から、「次のスタートは○○さん、○○さん」とアナウンスがある。トーナメントのスタートコールのようで、ちょっとした緊張感、高揚感も味わえるぞ。  コースは真っ平。フェアウェイ幅もまずまず広く、距離はないが気持ちよくドライバーを振れるホールもある。フェアウェイは硬く締まっていて、ティショットはランが出るから気分は飛ばし屋だ。

 グリーンはコンパクトのうえ、硬くてボールが止まらない。砲台グリーンもあるから、奥に外すのはアウトで手前から攻めるのがセオリーだ。なかなかスリリングなショートゲームが楽しめる。  分かってもらえたかな、多くを求めるのは野暮ってことを。しかしだ! 初めて行くと受付でアプリをインストールしろとか、スタンプのQRコードを読み取れとか面倒極まりない。フロントのお姉さんが対応に慣れているとはいえ、スマホに不慣れなシニアにはきついだろう。

 今どきの仕組みになるのは仕方ないが、気軽さが魅力のコースだけに、あまり先進的にならないでほしい。ポイント欲しさでQRは読み込むけどな......。

●所在地 千葉県長生郡一宮町東浪見3166 ●TEL. 0475-42-7200 ●開場 1972(昭和47)年11月23日 ●設計者 沢井徳三郎 ●ヤーデージ 36ホール、1万3465ヤード(バックティ、コーライグリーン使用時の合計)、パー144

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