ZAITEN2024年11月号

月刊ゴルフ場批評85

「京葉カントリー倶楽部」批評

カテゴリ:月刊ゴルフ場批評

S_2411 京葉CC.jpg今回は千葉県でも抜群のアクセスを誇る「京葉カントリー倶楽部」だ。

 最近とみに評価が上がっているコースだが、「京葉国際CC」時代を知るものとしては、どうもピンとこない。老舗は老舗だが、鷹之台CCや我孫子GC、千葉CCなどの名門には及ばず、セカンドグループという立ち位置。  

 しばらくご無沙汰していたので、高評価を受けている理由を確かめに行くとしよう。

 千葉東金道路大宮インターからわずか7分。京葉道路穴川インターからでも約20分。千葉のゴルフ場でここより都心から近いのは、鎌ヶ谷CCくらいだろうか。

 アクセス良好といっても、朝の通勤渋滞は避けたい。確か朝食はなかなかだったし、練習施設も充実しているから、早めに着いても退屈はしないだろう。

 エントランスの佇まいも悪くない。右手の木立の合間から見え隠れするコースに目を惹かれていると、エントランス正面に聳えるヒマラヤ杉が突然現れる。朝日を浴びた巨木の、神々しいまでの美しさに心を奪われる。  

 クラブハウスの外観はごく普通だが、シティホテルを思わせるフロント周り。ショップも高級ブランドを揃えながら、シックな雰囲気にまとめられ、とにかくスマートだ。

 この隙のなさ。京葉国際時代とは雲泥の差だが、まぶしいというかキラキラしすぎてなんとも落ち着かない。レストランにはウッドデッキのテラス席まで新調されていて、こそばゆく感じてしまうのは初老オトコのやっかみか?  

 ただ、イマドキのお客様にはウケがいいのだろう。この日もなかなかの混雑ぶりだが......。10番ティがハウスの目の前で近いのはいいが、ティーイングエリアの真後ろに練習グリーンがあるうえ、ドライビングレンジへの導線も重なっている。とにかく人が多くて落ち着かないのだ。

 さらに10番は、ちょっと打ち上げでランディングエリアが確認しにくい。1日を気持ちよく過ごしたいなら、絶対アウトスタートがおススメだ。  

 コースは林間丘陵。だいぶブラッシュアップされたと聞いていたが、大規模な改造が行われたわけではないらしく、レイアウトは京葉時代のまま。ひと言でいえば、「変なホールと良いホールの差が激しい」のが特徴なのだ。フェアウエーが広く見通しも最高で、ドライバーを存分に振れるホールがある半面、強烈な打ち上げだったり、林とマウンドで攻略ルートを極端に狭めたホールなどが混在。変化に富んでいるといえば聞こえはいいが、「なんじゃコリャ!」という印象が残ってしまう。

 ただ、コンディションは良好で、特筆すべきはグリーン。驚くほど美しく仕上がっていて、速さも最低10㌳! それほど大きくない2ベントを、こんなに仕上げられたらアベレージクラスはお手上げ。この日も進行はしんどかったぞ。  

 確かに進化はしていたが、コース自体に大きな変化はないので意見が分かれるだろうな。新規会員募集も好調なようだが、視察プレーを忘れずに。

●所在地 千葉県千葉市若葉区多部田町802 ●TEL. 043-228-1531 ●開場 1959(昭和34)年12月3日 ●設計者 陳 清水 ●ヤーデージ 18ホール、6902ヤード、パー72

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