ZAITEN2026年5月号
月刊ゴルフ場批評103
「小金井カントリー倶楽部」批評
カテゴリ:月刊ゴルフ場批評
3月19日に東京の桜の開花が発表された。すると満開は27日あたり。この号が出る4月1日でも、まだ堪能できるだろうか。 ゴルファーなら多くの人が知っているであろう、日本屈指の超名門接待コース「小金井カントリー倶楽部」も、この時期は桜で1年でもっとも活気づく。
本数でいえば215本(丹念にカウントした人がいるらしい)と決して多くはないが、普段からよく手入れが行き届いた植栽により、コースはソメイヨシノで彩られる。毎週月曜日が定休日だが、この時期は毎年、特別営業日としているほどだ。
同CCには定休日の貸し切りコンペやら各種イベントでのプレーで何度が来たことがあるが、今回は縁あってメンバーさんとの同伴プレーだ。誰と行ってもコースは同じ? いや、ちょっと違った発見があったのでリポートしよう。
いつも感心させられるのが、クラブハウスの玄関周りだ。キャディバッグや手荷物を運ぶ係を、同CCではポーターとかバッグ番ではなく「クロークさん」と呼ぶ。 このクロークさんたちが実に手際がいいというか、流れるような手順でフロントに導いてくれる。そして、チェックイン後は「ロッカーさん」にバトンタッチ。ロッカーナンバーを確認して、目の前までエスコートしてくれる。接待コースの過剰サービスにも感じられる半面、スマートでさりげないから不思議と嫌らしさがない。
さて、同伴ビジターの身である以上、粗相をしたらメンバーさんに迷惑がかかる。事前に公式サイトでドレスコード、エチケット、マナーに関する項目をチェック。これが細かく書いてあって時代錯誤感も否めないが、郷に従え。ウエアはとにかく地味にした。
しかしまぁ、メンバーさんと歩いていると、すれ違う誰もが挨拶をかわす。従業員も同じ。コミュ障にはつらそうだが、コースにいる人間すべてが、家族づきあいをしているかのようで心地いい。
お昼に名物の「骨付き煮込みチキンカレー」を頼んだが、「もともとはそんなに人気じゃなかったみたいですよ」と、メンバーさんがエピソードを教えてくれた。 ある年、大雪が続き、2週間近くにわたって社員総出の雪かきを強いられた。そのため、理事会で従業員を労おうと、普段は食べられないレストランのメニューを提供。それがチキンカレーで、従業員に大好評だったという。
それ以来、カートにレストランメニューを携行しているキャディは、「何がお勧め?」と聞かれれば「チキンカレー!」と口を揃えたという。唯一食べたことがあるのがチキンカレーだったからであり、こうしていつしかチキンカレーが名物になったのだという。
距離があるわけではなく、コース自体は難易度的に物足りない人もいるかもしれない。場外飛球対策でウッド禁止ホールができ、このご時世だけに年会費も上がるなど世知辛くなってきたが、天下の小金井だからと身構えた以前と異なりアットホームな雰囲気。
ただそれも同伴プレーだからこそのことで、本来、味わえるのはリッチな会員様だけなんだけどね。
●所在地 東京都小平市御幸町331 ●TEL. 042-381-1221 ●開場 1937 (昭和12)年10月3日 ●設計者 ウォルター・ヘーゲン ●ヤーデージ 18ホール、6760ヤード、パー72







