ZAITEN2026年3月号
月刊ゴルフ場批評101
「東京湾カントリークラブ」 批評
カテゴリ:月刊ゴルフ場批評
アクアラインを下りて10分足らず。そして名前が「東京湾カントリークラブ」とくれば、自然に「海は広いな~」と口ずさみたくなるが、決してシーサイドというわけではない。まあ、海までは10㌔圏内だから許容範囲か。それより気になるのは、「屈指の集客力を誇る」という評判だ。
元は緑営グループのコースで「東京湾スプリングス」という名称だったが、今は緑看板のアコーディア系列。アコーディアで「屈指の集客力」とくれば、待ち待ちラウンドの恐怖しかない。
クラブハウスは明るく清潔感があるが、機能と使い勝手に徹していて、床にはトイレやロッカーのアイコンが目につく。極めつけはロッカーだ。上半分にイエローの巨大な文字でナンバー、下半分には1089〜1104といった具合に、その列のロッカーナンバーがデカデカと書いてある。
よく言えば親切だろうが、「ロッカーはどこですか?」と聞かれる機会を極力減らす意図があからさまに感じられる。この季節だけにさらに寒々しくなった。
省力化はマスター室でも徹底されているようで、27ホールというのに確認できたスタッフは3人のみ。さすがにテンパっている様子で、スタッフ同士の荒々しい会話が聞こえてきた......。
気を取り直してラウンドだ。久保田、蔵波、長浦という、なんだか日本酒みたいな名の3つの9ホール構成で、この日は久保田からのスタート。自走式カートで1番ティへ向かう。 カート道にも色分けされた矢印がある。「はいはい、ここを下りていくのね」と進んでいたところ、前方からカートが向かってきて危うく接触しそうになった。3つのコースのスタートと上がりが交錯し、なかなかスリリングだ......。
1番ティも久保田と蔵波の2コースが隣接していて、両方のプレーヤーがそれぞれ2、3組ずつ溜まっている。このわちゃわちゃした感じはプレー中も続いた。 コース自体は割とオーソドックスというか、フェアウエーがゆったりしていて見通しは良い。池絡みのホールもあるが、全体的にはプレーしやすいだろう。
しかし、次のホールへのインターバルで他のカートとすれ違ったり、トンネルを潜ったりと、ホール間の移動ではストレスを感じる。狭い用地に無理やり27ホールを詰め込んだ、そんな印象だ。
スプリングスベントだったというグリーンは見る影もない。端々にはスズメカタビラらしき雑草が繁茂していて、グリーンの境目が分かりにくくて困った。効率を考えれば、上等なグリーンなど不要なんだろうな。
古いメンバーによるとバンカーはだいぶ減らし、木も伐採したそうだ。効率第一、徹底している。 プレーのペースはハーフ2時間35分。覚悟して行ったから、毎ホール待ちでもそれほど気にならなかったが、今日はだいぶスムーズなほうらしい。
前の若者4人は楽しそうだったが、最後まで人気の秘密は分からずじまい。高齢者の冬ゴルフにはありがたくトイレが多い。あっ、秘密はこれに違いない!
●所在地 千葉県袖ケ浦市蔵波1147 ●TEL. 0438-63-3211 ●開場 1979(昭和54)年10月28日 ●設計者 吉﨑満雄 ●ヤーデージ 27ホール、1万10ヤード、パー108







