ZAITEN2026年1月号
月刊ゴルフ場批評99
「ムーンレイクゴルフクラブ 鶴舞コース」批評
カテゴリ:月刊ゴルフ場批評
ムーンである。その名の通り、ナイターゴルフが売り。月明かりの中、照明下でゴルフを楽しむこともできる。
PGMグループの「ムーンレイクゴルフクラブ」は、関東に市原、茂原、鶴舞の3コースある。もともと市原、鶴舞は後楽園(現・東京ドーム)系の「セントレジャーゴルフクラブ」、茂原は「イトーピア千葉ゴルフ倶楽部」だった。
ナイターゴルフといえば、暑さや強い日差しを避けることから、夏場の需要に限られるものと思っていた。しかし、秋や冬でも一定数の利用者があるそうでビックリ。寒いこの時期、それも夜にゴルフをするなんて理解に苦しむが、果たして本当なのか?
必ずしも暗くなってからスタートするわけではなく、今回訪れたムーンレイク鶴舞コースの場合、11月でナイター枠のトップスタートは14時30分。これだと前半の9ホールは薄暮プレー、ナイター照明の下でのプレーは後半のみとなる。楽しみ方はそれぞれだが、今回は完全ナイターが目的だから、20時スタートのハーフラウンドをチョイスした。
都内を18時に出てコースに向かう。インターを降りるころには辺りは真っ暗で、これが要注意。ゴルフ場周辺となるとほぼ山間部だけに、夜道はビックリするほど暗いのだ。地元の車はハイビーム走行を併用すると聞いていたが、そうしないと確かに怖い。
進入路に入ると、煌々とLED照明に照らし出されたゴルフ場が見えてホッと一息。この日は平日だったが、駐車場には20台以上の車が止まっていた。 クラブハウスは普通に利用できるが、カートへの積み込みまでのセルフスタイル。ほう、フェアウエーやグリーンは、昼間より明るいくらいだな。
圧倒的に若者が多いぞ。平日のコースでよく見かけるシニアゴルファーたちは皆無。早寝早起きのシニア層にナイターという選択肢はないのだろう。
1番は真っ平らでだだっ広いフェアウエーのパー4。その後も広くて見通しの良いホールが多く、ナイター向きのレイアウトだ。
ただし、明るいのはフェアウエーだけ。左右の森はもちろん、ラフも漆黒の闇。曲げたらまずボールは見つからないと思え。
自走式のカートにはヘッドライトが装備されているが、これが曲者。ライトがつくのはアクセルを踏んでいるときだけで、下り坂で減速しようとアクセルを離すと、前がまったく見えなくなる。これは怖い、なんとかならんかね。クラブを取り出すのも暗くてアイアンの番手が判別できない。
コースコンディションはまずまずだが、さすがにグリーンのカップ周辺はキズが目立った。夜までプレーしているから仕方ないか。
ショットやパットの際は十分すぎるほど明るいが、プレー以外のシーンで戸惑ったラウンドも無事に終了。ところが同組の30代男子に聞いたら、暗さはまったく気にならないという。
そうか、若者は年配者に比べて夜目が利くのか。ヤツらは寒さにも強いしな。若者ばかりの理由が分かったよ。オレも年老いたなぁ。
●所在地 千葉県市原市小草畑577 ●TEL. 0436-89-2211 ●開場 1985(昭和60)年4月28日 ●設計者 日本鋪道 ●ヤーデージ 18ホール、7152ヤード、パー72







