ZAITEN2026年9月号
あきれた日本の「人質司法」
「天下り裁判官」と「巨大法律事務所」の蜜月
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在官時の人脈も駆使して東電免罪を画策
「(裁判官が)公正であることは当たり前。我々は『公正らしく』あらねばならない」―。最高裁は、下級審の裁判官に対してかねてこう指導しているという。 言い出したのは、石田和外最高裁長官。1970年代、青年法律家協会に所属するなどリベラルな裁判官の一掃を図った「ブルーパージ」の最中に発せられたものだ。この「公正らしさ」という刃が、今、最高裁判事たちに対して、いわば〝逆向き〟に突き付けられている。
2022年6月17日、最高裁第二小法廷は、東京電力福島第一原発事故に対して、「国に責任はない」とする判決を言い渡した。この裁判で裁判長を務めた菅野博之は、判決から1カ月も経たないうちに最高裁判事を定年退官し、長島・大野・常松法律事務所の顧問となった。長島・大野・常松法律事務所は、東京電力株主代表訴訟で東電側の代理人を務めている。
また、この裁判が上告される際には、元最高裁判事の千葉勝美が東電側から意見書を出している。その主旨は、この裁判の最大の争点であった、国の機関である地震調査推進本部が出した長期評価について、「多面的な評価が成り立ち得る」としてその信頼性に疑問を投げかけるものだった。
元最高裁判事が個別の事件に対し、意見書を出すのはきわめて異例のことだが、実は千葉は、先述した菅野とかかわりがある。千葉はかつて、日本の司法行政の中枢を担う最高裁事務総局行政局で参事官をしていた。その時、菅野は行政局付で働いていた。千葉と菅野は、いわば上司と部下の関係だった、 千葉は、現在、西村あさひ法律事務所に顧問として在籍している。
この判決が出た時、最高裁第二小法廷に所属していた判事の草野耕一は、西村あさひ法律事務所の代表パートナーを15年間務めた経験の持ち主だ。自分が経営者を務めていた法律事務所に所属する元最高裁判事が、自分の担当する事件に対し、被告東電側から意見書を出したことになる。この関係は、最高裁が日頃から口にしている「公平らしさ」に相応しいものだろうか?
......続きはZAITEN9月号で。







