ZAITEN2021年10月号

新クレーマーズ・レポート

ビックカメラ「エアコン設置トラブル 」てんこ盛り

カテゴリ:クレーム・広報

ビックカメラ本店.jpg〈この夏に賃貸の戸建て住宅に引っ越し、エアコンを購入するため家電量販店のビックカメラに行きました。我が家にはエアコンの排気口が3カ所あり、そのうち1カ所は冷蔵庫を置く場所の上にありました。そうした設置環境について販売員にあらかじめ説明し、十分相談した上で、設置が可能だというダイキン製のエアコン3台を工事費無料で購入することにしました。

 ところが工事当日、妻から「ビックカメラの下請け業者が工事ができないと言っている」と電話が入り、業者に代わると、冷蔵庫上の1台は、自己判断では設置ができないと言うのです。また、2階に設置する2台についても室外機を下に降ろさないと設置できないので、追加費用がかかるとの説明を受けました。

 1階の冷蔵庫上については、工事判断ができないと言うのだから、ビックカメラの判断に委ねるしかないにしても、残りの2台は設置して欲しいと私は言いました。しかし、それも拒否されました。そして、私がビックカメラの店舗担当者と電話で交渉している間に、その業者は挨拶ひとつなくビックカメラの指示で次の現場に行ってしまったのです。

 交渉の結果、その日の夕方、ビックカメラとダイキンの社員が設置環境の現地確認をしに来ました。また、夜にはビックカメラの店長代理から電話があり、設置が可能な2台分の工事がキャンセルされたことの詫びがありましたが、やはり冷蔵庫の上は工事ができないので、エアコンを返品するか、自分で設置しろと言うのです。

 そもそも設置ができるというから購入したのに、それはないでしょう。残りの2台も設置は後日送りにされ、結局、その日にうちにエアコンは1台も設置できませんでした。

 後日、冷蔵庫の位置を変更し、追加の工事費用3万円も払って再度工事に来てもらう選択をしました。しかし、家には1歳の子どもがいるので、猛暑の中、熱中症予防のために1台でもいいからその日のうちに設置してもらいたかったです〉(読者のメールより)

設置できないのに販売?

 熱中症を防ぐため、現代社会では必需品になっているのがエアコンである。しかも、引っ越したばかりの新居で、設置工事に来たのにエアコンが1台も設置されなかったとなれば、読者の憤りも察して余りある。

 読者はビックカメラの店舗で、販売員とエアコンの設置環境について綿密に相談した上で3台の購入を決めた。ところが、そのうち1カ所は冷蔵庫の上で、現在は家具や家電製品などの上にエアコンを設置するのは原則NGになっているようだ。

 しかし疑問なのは、設置場所についてはあらかじめビックカメラの店舗で相談していたことだ。設置できないと分かっていながら、売り上げを上げたいがために、設置ができると言って販売したのだろうか。

 また、1台は設置ができなくても、他の2台は設置が可能であったはずだが、なぜ業者は設置を拒否して次の現場へ行ってしまったのか。読者は業者を次の現場に向かわせたのはビックカメラだというが、本当か?  この件について、ビックカメラ広報・IR室の高田氏に取材を申しこんだ。ところが、「いただいたご質問の件、現在社内で確認中ですが、回答がいつ頃になるかも分かりません」と口をつぐむ。

 しかし、さすがにこのような広報対応は納得がいかないと伝えたところ、翌日、同じ部署の山崎氏から「個別の事案については回答を控えさせていただきます」と、簡素なメールが届いた。また、「工事費無料」の実態についての質問には「エアコンの標準工事費はエアコン本体代金に含まれておりますが、設置箇所の状況によっては追加工事費がかかります」と説明したが、標準工事の内容については一切説明がなかった。

......続きは「ZAITEN」10月号で。

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