ZAITEN2022年06月号

「稼げる大学」法案は政財界による大学支配

【特集】大学10兆円ファンドを主導する「学者政商」の正体

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 上山隆大_サイトから.jpg上山隆大氏(サイトより)

 岸田文雄政権が掲げる「新しい資本主義」の柱のひとつが、政府による10兆円規模の大学ファンド創設と、その運用益による「国際卓越研究大学」の支援。現在、国会で「国際卓越研究大学の研究及び研究成果の活用のための体制の強化に関する法律案」が審議されている。  ところが、同法案には問題が多いとして、大学関係者から反対の声が上がっている。4月6日、全国の国公私立大学の教職員や弁護士らで構成する「『稼げる大学』法案の廃案を求める大学横断ネットワーク」が文部科学省記者クラブで会見し、法案の廃案を訴えた。

 大学ファンドは日本の研究力強化を謳って国が創設。約10兆円を運用する一方、国際卓越研究大学を5~7大学認定し、これらの大学をファンドの運用益で支援する。運用は年3%を目標としており、単純に計算すれば最大で年間3000億円を分配することになる。一見、画期的な政策のように聞こえるが、法案の内容は曖昧で、本当に研究力向上につながるのかは不明だ。

 むしろ、これまでの大学の在り方を変え、政府が大学を支配するスキームを作ることに重点が置かれているように感じられる。大学関係者が不信感を抱いているのは、この法案が一握りの関係者だけで検討され唐突に出てきたことだ。法案の問題点と背景を見ていきたい。

大学が政財界の意のままに

 問題の1点目は、国際卓越研究大学に認定された場合、大学の運営が政財界に握られることだ。認定は文科省が行うが、計画の認可やモニタリングには内閣総理大臣と財務大臣、内閣府総合科学技術・イノベーション会議(CSTI)の意見を聞くことが求められている。CSTIは〈各省より一段高い立場から、総合的・基本的な科学技術・イノベーション政策の企画立案及び総合調整を行うことを目的とした「重要政策に関する会議」の一つ〉(内閣府)。

議長は総理の岸田で、議員は官房長官、科学技術政策担当大臣、総務大臣、財務大臣、文科大臣、経済産業大臣ら閣僚6人と総理が指名した有識者7人、それに日本学術会議会長の合わせて14人で構成される。有識者7人のうち、みずほフィナンシャルグループ前会長の佐藤康博など3人は財界関係者だ。

......続きはZAITEN6月号で。

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