ZAITEN2022年011月号

経産官僚に〝洗脳〟される優柔不断宰相

岸田政権1年「軽佻浮薄」な原発回帰

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 岸田文雄政権の発足から間もなく1年。安倍晋三、菅義偉と独断専行型の「アクの強い」首相が2代続いた嫌悪感もあり、「聞く力」を訴える首相の登場は当初、歓迎された。  だが、今は新型コロナウイルス対策や円安・物価高対策で露呈した「無為無策」ぶりを酷評される日々。保守層を取り込む魂胆で強行した安倍の国葬も裏目に出た。それどころか自民党議員と世界平和統一家庭連合(旧統一教会)との蜜月ぶりが世論の反発を呼び、内閣支持率はダダ下がり状態だ。

 そんな中でも、岸田は「政治決断」と称した「原発回帰路線」をやめるつもりはないらしい。優柔不断な宰相をここまで〝洗脳〟したのは、多額の交付金やOBの天下りなど原発利権の死守を謀る経済産業官僚だ。頭目である首相秘書官の嶋田隆(1982年旧通商産業省、元経産事務次官)や内閣官房参与の今井尚哉(同、元安倍晋三首相秘書官)は電力不足や電気代急騰の危機を煽りまくって国民をゆすり、2011年の東京電力福島第1原発事故後、封印された原発の新増設や建て替え(リプレース)解禁まで一気に時計の針を戻す考えだ。  だが、安全対策費が嵩む原発はもはや安い電源ではない。使用済み核燃料の処理など、重大な問題も先送りしたまま無責任なやり方に国民の理解が得られるとはとても思えない。

経産官僚の洗脳に「完落ち」

「ウクライナ危機で日本や世界を取り巻く状況は一変しました。再生可能エネルギーだけでやっていけるという幻想をいつまでも国民に持たせていては、責任ある政治とは言えません」

......続きはZAITEN11月号で。

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