ZAITEN2023年002月号

ついに銀行管理が現実味か―

ソフトバンク「孫正義退場」の断末魔

カテゴリ:TOP_sub

 稀代の錬金術師も遂に年貢の納め時か―。そう思わせる光景である。  

 中東のオイルマネーを呼び込んだ資金規模10兆円の巨艦ファンド「ソフトバンク・ビジョン・ファンド(SVF)」などを駆って世界のユニコーン株を買い漁ってきたソフトバンクグループ(SBG)の総帥、孫正義(65)が新規投資の〝凍結〟を表明した。今後は決算発表などの表舞台に立たないとも宣言。世界的なカネ余り時代の終焉でユニコーンバブルがはじけ、投資先472社の業績や株価が「ほとんど全滅に近い」(孫)状況となる中、経営危機の回避へ守りを固めるという。〝敗戦処理〟を託された取締役専務執行役員CFO(最高財務責任者)の後藤芳光(59)は「明けない夜はない」と強調し、投資事業の再開と孫の表舞台復帰を目指す考えを示すが、資金繰りは日々厳しくなっている。市場では「いずれは銀行管理の運命か」(米系アナリスト)と冷徹な見方も出ている。

決算を〝お化粧〟

「決算発表会でプレゼンテーションを行うのは今日を最後にしたい。少なくともこれから数年間、(グループ傘下の英半導体設計大手)ARM(アーム)の事業に没頭したい。それがSBGの成長に貢献し、株主や情報革命の未来にも役立つと思っている」  

 2022年11月11日に東京都港区のSBG本社で開かれた22年4~9月期決算説明会。冒頭30分ほどの挨拶を終え、ひな壇を後にした孫の姿には、「敗軍の将は兵を語らず」との中国の故事を思い起こさせるほどの寂寥感が漂った。

......続きはZAITEN2月号で。

購読のお申し込みはこちら 情報のご提供はこちら
関連記事

「裏金自民党」と「カルト参政党」共闘の悪夢 哲学者 適菜 収

佐高 信 vs. 松元ヒロ「テレビで会えない芸人が見た〝モノ言えぬ社会〟の素顔」

藤木経産省が画策する「国家資本主義」

ブリヂストン「自転車子会社」で〝苛烈リストラ〟

三菱電機〝笑止千万〟のM&A投資「1兆円構想」

【特集】ソフトバンク孫正義がのめり込む「AI進軍ラッパ」の危うさ

【特集】LINEヤフー「フルリモート撤回」で社員から怨嗟の声

【特集】読売新聞「石破首相退陣へ」〝大誤報〟の傲慢

マッチングアプリ最大手「ペアーズ」で蔓延る〝独身偽装〟

佐高 信 vs. 南丘喜八郎「カネと世襲に支配された自民党は〝湛山〟に倣え!」