ZAITEN2025年02月号

仕掛け人は浅田取締役

みずほ〝内紛再燃〟の象徴 東京センチュリー「藤原社長」誕生の衝撃

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 旧第一勧業銀行、旧富士銀行、旧日本興業銀行による経営統合で、みずほフィナンシャルグループ(FG、当初はみずほホールディングス=HD)が誕生してから約四半世紀。大規模システム障害や反社会的勢力向け融資など不祥事多発の温床となってきた旧3行間の内紛体質から脱却したはずだった。木原正裕FG社長(1989年旧興銀)は「旧行意識はもう昔の話」と言い放ち、ブランドスローガンも2023年5月、それまで10年間使い続けてきたグループ融合を謳う「One MIZUHO」から「ともに挑む。ともに実る。」に一新した。だが、「宿痾」は簡単に断ち切れない。今度は系列最大手のリース会社から内紛再燃の炎が噴き出している。

仕掛け人は浅田取締役

「最高位の頭取まで上り詰めた人物が格下のグループ会社社長に転身するなんて馬鹿げた話は聞いたことがない。みずほFG本体は全くノータッチ。寝耳に水の人事だ」。みずほ系列リース最大手の東京センチュリー次期社長に、前みずほ銀行頭取の藤原弘治(85年旧第一勧銀)が25年4月1日付で就くことが報道されると、グループ内はショックに包まれた。  

 大手行では通常、系列企業の社長は「銀行でトップになれなかった副頭取以下の人材を処遇する天下りポスト」(FG幹部)とされてきた。実際、東京センチュリーの場合も、前身の東京リース時代から社長・会長を14年間務め、今も取締役の座にある実力者、浅田俊一(72年同)でさえ、みずほFGでは副社長止まりだった。現社長の馬場高一(85年同)に至っては、元みずほ銀執行役員台北支店長というショボい経歴だ。  

 そんな経緯を踏まえれば、みずほ銀頭取を約5年間も務めた藤原が東京センチュリー社長に転身することが、どれほど異常事態かが分かる。

......続きはZAITEN2月号で。

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