ZAITEN2025年02月号

社長の〝馬鹿丸出し〟が現実となりつつある

三菱商事「垣内院政」の弊害で株価低迷

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「社長の〝馬鹿丸出し〟が現実となりつつある」  

 2024年度上期決算で純利益6181億円を計上し、通期計画(9500億円)に対し、65%の進捗率に達した三菱商事―。しかし、社員の危機感は強い。株価の下落が止まらないのだ。

 一見好調にみえる業績だが、ローソンの上場廃止に伴う再評価益など一過性利益が2730億円も占めており、内実は減益決算。下期に株主還元の余力もなく、市場は〝失望売り〟が続く。時価総額は10兆円に低迷し、すでに伊藤忠商事に抜かれている。  

 翻って社長の中西勝也は8カ月前、何を語っていたか―。ネットメディアの取材に「1兆円稼ぎ続ける体力がついた」と大口を叩き、そのドヤ顔を〈時価総額を2倍にした男〉と囃されて満悦していたことは、本誌(24年8月号)が報じた通りだ。当時から社員の怨嗟は募っていた。

 一時15兆円に達した時価総額は〝バフェット効果〟の幻にすぎない。それが消え、主力の原料炭事業が不振に陥った同社の24年度純利益は、せいぜい7000億円が実力。中西への〝馬鹿丸出し〟の怨嗟は奇しくも的中したのだ。 〈社内は垣内(威彦・会長)を専制君主とする独裁体制となり、三菱商事の歴史にはなかった惨憺たる状態となっています〉

 同社からは本誌へ内部通報が相次ぐ。いずれも垣内―中西コンビの愚昧さに対する危機感を訴えており、これほどトップが嫌悪される事態は深刻だ。原因は垣内の社長時代の恣意的な人事にある。  


......続きはZAITEN2月号で。

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