ZAITEN2025年12月号

メディアにも責任の一端がある

【著者インタビュー】『過疎ビジネス』河北新報記者 横山 勲

カテゴリ:インタビュー

過疎ビジネス
集英社新書/¥1,000+税

よこやま・つとむ―1988年青森県出身。河北新報社入社後、報道部、盛岡総局、福島総局を経て現職。取材班として携わった連載「原発漂流」を含む特集「東日本大震災10年」は2021年度新聞協会賞受賞。自ら中心となって取材執筆した「『企業版ふるさと納税』の寄付金還流疑惑に関する一連の報道」は第29回新聞労連ジャーナリズム大賞、第5回調査報道大賞優秀賞を受賞。個人としては第73回菊池寛賞を受賞した。

―本書には「企業版ふるさと納税制度」を使って過疎化の進む町を喰い物にする地方創生コンサル企業の実態や「限界役場」と化した小規模自治体の厳しい現実が克明に記録されています。なぜこのようなことが起きているのでしょうか?

 2014年にはじまった「地方創生事業」が大きな要因です。人口減少の問題は、国家的な課題なのに自治体に打開を迫りました。そもそも過疎化に苦しむ小規模自治体は職員不足です。地方公務員の受験者数は14年の58万人から22年には44万人まで減りました。通常業務だけで現場は常に限界状態で余力はない。

 しかし、国からは目に見える実績を迫られる。そんな状況で、地方創生の夢を語り、形の整った政策を提示する地方創生コンサルがいたら飛びついてしまう。  

 コンサル業の方と話す機会があり、教えていただいたのですが、小さな自治体との仕事は本来さほど儲けにならないそうです。大きな自治体や大企業のコンサルに入ったほうがよっぽど儲けることができる。

 しかし、本書に登場する地域創生コンサル・ワンテーブルの島田昌幸前社長は「無視されるちっちゃい自治体」をブルーオーシャンだと見たわけです。情報提供された録音データには「大企業は狙わない、0・5以下の財政力指数の自治体を狙う。(予算を合計すると)何兆円かになって。これを僕たちは狙っている」と、意識的に公金を狙っていたと受け取れる発言がありました。

......続きはZAITEN12月号で。

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