ZAITEN2025年11月号

元国税調査官 大村大次郎

日本人総貧困化の元凶は財務省の「権力独占」と「秘密警察」化

カテゴリ:インタビュー

おおむら・おおじろう―大阪府出身。国税局で10年間、主に法人税担当調査官として勤務し、退職後、経営コンサルタント、フリーライターとなる。ラジオ出演、フジテレビ『マルサ!!』の監修など幅広く活躍。著書に『億万長者は税金を払わない』(ビジネス社)など。YouTubeで「大村大次郎チャンネル」を配信中。

メディアを屈服させ、歴代の総理をも容易く傀儡にしてしまう財務省。その権力の源泉を、元国税調査官であり、財務省を批判する新書を刊行した大村大次郎氏に聞いた。

 今年5月と8月、『財務省の秘密警察』と『財務省解体マニュアル』という2冊の本を、かや書房から連続刊行しました。  

 財務省は建前上、単なる「一省庁」に過ぎません。しかし、その権力は世界でも類を見ないほどに巨大です。   

 まず、財務省は事実上、国家権力の源泉である「予算の策定権」を持っています。日本では予算を決める権限は国会にあると建前上はなっていますが、政治家は細かい数字のことなどわかりません。現実的に予算を握っているのは財務省なのです。

先進国ではありえない権力集中

 しかも、財務省が持っている権力はそれだけではありません。  

 総理秘書官の中で、もっとも重要なポストである筆頭秘書官は、財務省の指定席になっています。筆頭秘書官は、総理に四六時中付き添い、政策を助言する職務。総理が財務省寄りの考えになるのは当たり前です。

 官邸の司令塔的役割の官房副長官補も、財務省からの出向者となっています。重要閣僚の秘書官など、すべての重要ポストは財務省が握っているのです。   

 また、国家公務員の人事を仕切っているのは、財務省主計局給与共済課(給料関係)、人事院給与局給与第二課(各省庁の人事)、総務省人事・恩給課(国家公務員の総合的な人事)ですが、この3つの組織もすべて財務省が握っています。

......続きはZAITEN11月号で。

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