ZAITEN2026年9月号

月刊ゴルフ場批評107

「勝浦ゴルフ倶楽部」批評

カテゴリ:月刊ゴルフ場批評

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 千葉県勝浦市にある「勝浦ゴルフ倶楽部」。
なぜ開業時のもともとの名称が「御茶ノ水カントリークラブ」だったのか気になるが、今さらなので置いておく。  

 それより東京湾アクアラインどころか、館山自動車道も市原インターまでしか開通していなかった時代、アクセス難にもかかわらず評判がよかったのが気になっていた。今でも最寄りの圏央道市原鶴舞インターから22・5㌔はかなりしんどい。そのわりに独立系ではなかなかの人気で、会員数も増えているとか。とにかく突撃だ。

 勝浦といえば、酷暑の季節になると必ず話題になる。勝浦沖の水深が深く太陽光で温まりにくい、3方を山と森林に囲まれ南の海側だけが開けた地形の影響など、複数の要因が重なることで最高気温が35度を超えないためだ。  訪れたのは、間もなく梅雨が明けようという7月上旬。強い日差しが照りつける日だったが、車を降りた途端、涼しい風が吹き抜ける。最寄りインター近くのコンビニに寄ったときとは体感温度がまったく違う。

 国道を左折してからの道は、左右から鬱蒼とした森林と山が迫り、コースへの進入路も急峻。海からは10㌔近く離れていて、涼し気な雰囲気はまるでないが、吹く風だけが爽やかで高原っぽい。標高が特別高いわけでもないのに、この気温は驚きだ。熱中症の心配が半減した気分だ。

 それに比べ、なんとなく暑苦しいというか、せせこましく感じたのはクラブハウス周り。土地に余裕がないのか、マスター室側には山の斜面が迫る。練習グリーン、アプローチ練習場などは、クラブハウスをグルっと回った駐車場側にある不思議な配置。そういえば駐車場も、スペース不足なのか奥のほうは2階建てになっている。安手のスーパーみたいだ。

 ここは27ホールだが、一番手ごわいという「つつじ」コースからスタートだ。フェアウエーは広々としているが、ボールの落下地点はかなりの上り坂。まるで緑の壁に向かって打っていくようだ。グリーン面も当然見えない超打ち上げ。初見じゃきついなあ。  

 その後も激しいドッグレッグやブラインドホールが多く、狙いどころが分かりにくい。

 グリーンは2グリーンだったものを1グリーンに。といえば聞こえはいいが、使わなくなったグリーンは半ば朽ちたように放置されている感じで、きちんと処理してほしいところだ。  

 ただし、残されたグリーンの仕上がりは特Aクラス! この日は倶楽部競技があったらしいが、10㌳超の速さで芝の状態も美しく仕上がっている。気温が上がりにくいことの恩恵かも。

 グリーンは当然コンパクト。このサイズで傾斜もキツいから、サイドからは強烈に切れるのでパッティングもスリリング。  

 コースはクセ強だが、何度か回れば狙いどころも分かってくるし、この涼しさとグリーンはなかなか貴重だ。クラブハウスでは会員募集の動画を流していたが、近年の猛暑を考えれば夏場の「ホームコース」という選択肢が頭をよぎったよ。


●所在地 千葉県勝浦市市野川628-1 ●TEL. 0470-77-0121 ●開場 1976(昭和51)年5月12日 ●設計者 菅邦欣、(監修)高橋信雄 ●ヤーデージ 27ホール、9516ヤード、パー108

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