千葉県成田エリアの「グレンオークスカントリークラブ」。元の経営母体は建設系企業の東和ランドで、系列に同県のオーク・ヒルズCCと栃木県の皆川城CCの2コースがあった。
グレンオークスCCやオーク・ヒルズCCはメンバーの組織がしっかりしていたうえ、プロや研修生の育成にも注力。丸山大輔プロや飯島宏明プロなどを輩出し、アスリートの集まるコースとして一目置かれていた。
しかし、2004年にゴールドマンサックスの支援を受けたことで日東興業傘下となり、14年からはアコーディアグループへと編入。当初、この3コースは同グループでもハイグレードコースとして扱われ、コース看板もアコーディアカラーのグリーンには切り替わらなかったが、さて今は?
10年ぶりの再訪といってみるか。 あ~、コース入り口の看板はまごうことなきアコーディアのコーポレートカラー。グレンもグリーン看板になってしまったかぁ。
予想通り、玄関のポーターは不在、カートへの積み込みはスタッフがやってくれるものの、ほとんどがセルフ化された〝アコーディア・スタイル〟に変わっていた。これも時代の流れか。
練習施設は......。広々としたドライビングレンジに、コースと同じクオリティのグリーンに向かって打てる実戦的なアプローチエリア、バンカーも練習し放題。抜群の環境は健在でよかった。当時、練習場では必ずプロや研修生が熱心に練習に励んでいて、熱気に溢れていた思い出が蘇る。
コースはややこしい。ロバート・トレント・ジョーンズJr.の弟子筋にあたるJ・マイケル・ポーレット設計とあって、大きくうねったグリーンや、池やバンカーを効果的に配置したレイアウト。きっちりポイントに打っていかないとスコアにならない。
残念なのはスタートの1番ホールだ。320㍎と短く、直角に近い左ドッグレッグだから、いきなりショートカットでワンオンチャレンジするか、180㍎に抑えてフェアウエーに置いていくかを迫られる。スタートホールくらい素直に造ってもよかったんじゃないか? ワンオン狙いをされると、グリーンが空くまで打てないし。
その後はスリリングというか、距離があって左右もシビアという難ホールが続く。 クライマックスはアウト、インとも最終ホール。9番はティショットを下の段まで飛ばせば2オンを狙えるが、グリーン右には大きく池が広がるパー5。18番はセカンド地点で左手前と右奥という、距離の違う2つの池の配置がゴルファーを悩ませるパー5。どちらも最後まで気が抜けない。
コースコンディションは......。フェアウエーはディボットが目立つし、バンカーも均してないところが多かったのは否めない。グリーンも傾斜がきついからあまり速くできないのだろうが、荒れているのが目立ったぞ。
かつてアスリートを育てた難コースの成れの果て。帰路で再びグリーンの看板を見て目頭が熱くなった。これ以上クオリティを落とさないでほしいと切に願う。
●所在地 千葉県香取市沢442 ●TEL. 0478-75-3737 ●開場 1989(平成元)年5月27日 ●設計者 J・マイケル・ポーレット ●ヤーデージ 18ホール、6972ヤード、パー72
A 5月21日の報道で、農林水産大臣の江藤拓の辞任が伝えられましたね。
B 米不足で喘ぐ国民を尻目に抜本的な改善が見られないなか、自身は支持者から米をもらっているとして、「買ったことがない」とまで言い切った発言が発端です。
D 江藤の後任となったのが小泉進次郎。こっちはこっちで、別の意味で米を買ったことがなさそうではありますが。
A 父・純一郎は郵政民政化で大鉈を振るったわけですが、今度は「JAマネーを海外に売り飛ばすのか」という指摘も出ています。
C 不適切発言でいうと、太平洋戦争時の沖縄戦の歴史観をめぐって、党内でもタカ派の西田昌司の発言が問題視されたな。
B 当初は発言の撤回はしないと強気でしたが、結局、訂正しましたね。最終的には、これに関連して石破茂首相も沖縄県知事の玉城デニーに謝罪しています。
D 夏の参院選を前に各媒体が政治家の〝ネタ〟を嗅ぎまわっているようですね。
C これまでさまざまな問題や不祥事を指摘されてきた自民党の女性議員Xだが、永田町ではとにかく評判が悪い。
A いまだに紙たばこのヘビースモーカーで、どこに行くにも灰皿が必須だとか。あまりの愛煙ぶりに痰が黄色く変色していて、「何かの病気なんじゃないか」と周囲が心配するほどだとか。
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ルポ 司法崩壊
地平社/¥1,800+税
ごとう・ひでのり―ジャーナリスト。1964年生まれ。NHK「消えた窯元 10年の軌跡」「分断の果てに"原発事故避難者"は問いかける」(貧困ジャーナリズム賞)などを制作。著書に『東京電力の変節―最高裁・司法エリートとの癒着と原発被災者攻撃』(貧困ジャーナリズム大賞、JCJ賞受賞、旬報社)。
―前作『東京電力の変節』は、第2章で記した内容、つまり司法と電力会社の癒着の実態を描いた箇所が特に衝撃的でした。
ありがとうございます。このほど上梓した『ルポ 司法崩壊』は、司法と法律事務所の癒着というテーマに関して、前作で書ききれなかった内容について、さらに取材した成果をまとめたものです。
国と東電を被告とした原発事故避難者訴訟で、最高裁は2022年6月17日に国の賠償責任を否定する判決を出しましたが、この裁判の上告時には、元最高裁判事であり、現在は「西村あさひ法律事務所」の顧問を務める千葉勝美弁護士が東電側の意見書を提出しました。
裁判官に対して大きな影響を及ぼしうる最高裁経験者が、個別の訴訟に意見書を出すのは異例中の異例です。しかも千葉氏は、この判決を下した菅野博之裁判長を最高裁事務総局時代に指導する特別な立場でした。その千葉氏が提出した意見書の効果のほどは不明ながら、事実として最高裁は、「事故当時、津波対策として、防潮堤などの建設とともに『水密化』が想定されていた」とした高裁の事実認定を覆しました。
千葉氏が顧問を務める西村あさひは国内外に800人以上の弁護士を抱える日本最大級の弁護士事務所ですが、共同経営者に名を連ねる新川麻弁護士は経産省の資源エネルギー関連の審議会委員の常連で、21年から東電の社外取締役を務めるなど、東電との関係が非常に深いことで知られています。
―本書には西村あさひに加え、アンダーソン・毛利・友常法律事務所、長島・大野・常松法律事務所、森・濱田松本法律事務所、TMI総合法律事務所のいわゆる「5大法律事務所」が登場します。
現在の彼らは、最高裁とかつてないほどの蜜月状態にあります。
最高裁第一小法廷の宮川美津子判事は、95年から最高裁判事に就任する23年までTMI総合法律事務所のパートナー弁護士(共同経営者)でした。
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『「低度」外国人材 移民焼き畑国家、日本』
(角川新書)/¥1,040+税
やすだ・みねとし―紀実作家。1982年滋賀県出身。立命館大学文学部卒業。広島大学大学院文学研究科博士前期課程修了。2018年に『八九六四 「天安門事件」は再び起きるか』(KADOKAWA)で第5回城山三郎賞、19年に第50回大宅壮一ノンフィクション賞を受賞。他著に『民族がわかれば中国がわかる 帝国化する大国の実像』(中公新書ラクレ)など多数。
日本政府や公的機関が使用し、その受け入れを歓迎している「高度外国人材」とは、「国内の資本・労働とは補完関係にあり、代替することが出来ない良質な人材」であり、「産業にイノベーションをもたらすとともに、日本人との切磋琢磨を通じて専門的・技術的な労働市場の発展を促し、労働市場の効率性を高めることが期待される人材」とされています。
一方で、〝高度〟という表現を使う以上、言葉を選ばずに言えば、〝低度〟の外国人材―年齢は若いかもしれないが、学歴・年収が低く、日本語もろくに喋れず専門知識もない。非熟練労働に従事し、国家が歓迎しているわけでもないが、好き好んでやってくる人々、という残酷な表現になってしまう在日外国人もいます。 さまざまな事情を抱えて来日した結果、不法滞在・不法就労に至るケースの中で、特にこの10年で激増した在日ベトナム人たちを中心に、外国人労働者たちの実態に迫ったのが、『「低度」外国人材 移民焼き畑国家、日本』(角川新書)です。
エスニックビジネスの展開
不法滞在する在日ベトナム人たちはSNSで繋がり、自分たちのことを「ボドイ(兵士)」と自称します。これは不法滞在・不法就労する〝やんちゃ〟な出稼ぎ労働者として、異国の地で奮闘する自分たちを〝兵士〟に見立てたものです。 彼らは技能実習生制度などを利用して来日したものの、現代の奴隷制度のような就労現場から逃亡し、その後も日本で違法に滞在し就労を続けています。
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厚生労働省が管轄する独立行政法人福祉医療機構(WAM)が大阪市内の民間病院に6億円を融資した。ところが、詐欺罪で逮捕歴があり、反社会的勢力とのつながりが取り沙汰される人物が全額を引き出し、病院とは無関係の使途に資金が費消されたことが分かった。
融資は元国会議員の口利きで実行されたとされ、かつ、この病院のファクタリング債権は証券会社を通じて投資家に売買されており、病院を〈器〉にして血税が詐取される杜撰な融資の実態が浮き彫りになった形だ。
問題となっているのは、大阪市旭区の真心会病院(許可病床数75床)を運営する医療法人真心会。同院では2019年頃から都内の医療コンサルM社がファクタリングを含む事務全般を請け負っている。ファクタリングとは、診療報酬債権をファクタリング会社に売却して早期に現金化する資金調達のこと。実際の医療行為から診療報酬の入金まで3カ月程度かかるため、資金繰り改善の手段として医療機関で普及している。真心会は21年、WAMから6億円の融資を受けた。当時は新型コロナウイルス禍で資金繰りに窮した全国の医療機関からWAMへ融資の申し込みが殺到していた時期で、審査に時間がかかっていた。
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東京電力福島第一原子力発電所周辺の復興支援と位置付けられる、経済産業省の補助金を使ったデータセンターの建設に遅れが目立っている。データセンター事業は福島県大熊町で2件、同葛尾村で1件の合計3件が採択され、このうち5月時点でデータセンターが完成しているのは1件のみ。
残り2件は建屋の建設にすら着手できていない。3件はいずれも、自立・帰還支援雇用創出企業立地補助金を使った事業で、採択事業者は最大50億円(補助率は最大4分の3)までの補助金が得られる。事業が遅れているのは、東証スタンダード上場のピクセルカンパニーズ(PC社)子会社であるピクセルハイと、受託開発やゲーム・エンタメ事業などを手掛ける「ORENDA WORLD」(OW社、東京都港区)の2社。両社はともに重大なコンプライアンス問題を抱えている。
証券取引等監視委員会は今年2月21日、PC社が会社側から前社長への実質的な貸付金に関する必要な情報を有価証券報告書に記載していなかったなどとして、約6億3000万円の課徴金の支払いを命じるよう金融庁に勧告した。
同社の連結子会社は、実態のない前払金の計上による損失の不計上の不適正な会計処理を行ったという。
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「教職員の給与が大幅に削減されたことに対して、大学の複数の教員が2020年の提訴から5年間裁判で闘っています。8人が訴えた第一次訴訟は今年3月に最高裁で勝訴し、さらに1人が提訴した第二次訴訟も高裁まで勝利したことで、給与の大幅削減は撤回されることが今年4月に決まりました。にもかかわらず、給与削減を主導した文科省からの天下り理事長は責任を取らないばかりか、理事長に居座るつもりです」
憤っているのは、東京都や埼玉県にキャンパスを置く目白大学で長年勤務する教員。同大を運営する学校法人目白学園は文科省出身の天下りが理事会や大学の要職を支配してきた。最も多い時期には6人が重要ポストにいたほか、25年5月現在も理事長の尾崎春樹を筆頭に3人がいる。
理事会による大学運営がおかしくなったのは、尾崎が理事長に就任した15年からだ。理事長は原則常勤が望ましいとされるが、尾崎は事務次官並みの高額報酬を受け取りながら毎日は出勤しない。一方で、福岡教育大学や大分大学では学長選考・監察会議や経営協議会の委員を務める。また、15年からは教職員給与の大幅削減に着手した。
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ジャニー喜多川氏による性加害問題で被害者への補償を進める「SMILE―UP.」(SU)が、被害を申告した男性に対して補償金の支払い義務がないとする訴えを千葉地裁に起こし、男性側がSU側の主張を認める形で裁判が終了した。
男性は20年以上前の2002年に東京都渋谷区のNHK放送センターのトイレ個室で性被害を受けたとしてSUに対して補償金の支払いを求めていた。
だが、被害に遭ったとされる当時、ジャニー氏が海外にいたことなどがジャニー氏のパスポート記録から確認されているなど証言の信用性が乏しかった。そのためSUは、補償金の支払い義務がないことを確認する債務不存在確認訴訟を起こしたのである。今年2月、男性側はSUの主張をすべて認める「認諾」をして、訴訟は終結した。
一方で、一連の性加害問題が表面化し、世間が大騒ぎとなっていた23年10月、男性を取材したNHKは、その証言を当時のニュース等で報道していた。
「性加害問題の根底に横たわる温床として芸能事務所とメディアとの癒着の象徴的な事例として報じられたニュースだった。しかも、問題の当事者であるNHK自身がスクープとして男性の証言を取り上げ、長年疑惑として燻ぶっていた問題の〝膿を出し切る〟というジャーナリズムの姿勢が当時は好評されていた印象だった」(マスコミ関係者)
当時、新聞やテレビといったマスコミ各社はこのNHKの〝スクープ〟を大々的に取り上げた。
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特殊詐欺の犯行に加わったとして詐欺・窃盗容疑で警視庁に逮捕されたオープンハウス営業社員(いずれも犯行当時)のKとHは、同罪で起訴され、司法の裁きを受ける身となった。公判は、東京地裁で2020年10月から12月にかけてそれぞれ始まった。立件された犯罪は事件数で4件。うち3件はKとHの2人が関与、1件はKだけの関与だ。
犯行は分業形式になっている。司令塔役の「指示役」や「上層部」、高齢者宅に電話をかけて騙す「掛け子」、だまされた高齢者宅を訪れてキャッシュカードや通帳、印鑑を詐取する「受け子」、だまし取ったカードで現金を引き出す「出し子」。指示役と受け子・出し子の連絡を担う「コーディネータ役」という仕事もある。
Kは受け子兼出し子、Hはコーディネータ役だ。KとHのほか、掛け子をやった男2人が逮捕・起訴されている。KとHは男2人と面識はないとされるが、共謀共同正犯、つまり犯罪組織の重要な構成員として訴追された。
同様の手口で次々と
起訴状によれば、各事件の概要は次のとおりである。
【事件1】(詐欺及び窃盗罪。以下同) 20年3月25日、氏名不詳の掛け子が、茨城県取手市の女性(84)宅に市役所職員をかたって電話をかけ、「年金の払戻金があるが銀行のカードが古い。交換のために銀行員が行く」とだまし、指示を受けたKが銀行員を装って女性宅を訪問、カード計4枚を詐取した。
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『玉木、立花、斎藤、石丸の正体 SNS政治家を撃つ』
旬報社/¥1,870円(税込)
吉永みち子さんとの対談でも名前を挙げた立花孝志、玉木雄一郎、斎藤元彦に加えて石丸伸二。近年相次いで登場した彼ら"SNS政治家"のいかがわしさについては、いつかまとめて批判しなければいけないと思っていた。
彼らは、新しい情報ツールを巧みに使いこなすことで、世間、とりわけ若者たちから何やら新しいタイプの政治家だと見なされている。だが私に言わせれば、彼らは〝新種〟では全くなく、ただの〝亜種〟に過ぎない。
「政治屋の一掃」なるスローガンを掲げている石丸が昨年都知事選に出馬するにあたって、選挙対策本部長を務めたのは、自民党東京都連が政治家を目指す者向けに開講した「TOKYO自民党政経塾」の塾長代行でもあった小田全宏。小田は石丸の選対を、自民党所属のまま取り仕切っていた。
玉木雄一郎は2020年に統一教会系の日刊紙「世界日報」の取材を受けているし、16年には世界日報社の元社長からの寄付まで受けている。やっていることは自民の裏金政治家たちと大して変わらないのに、彼らの支持者たちはそうした本質を見ようとしない。 斎藤が維新の支援を受けているのは周知のとおりだが、以前から私は、自民党がヤクザなら維新は半グレだと言ってきた。
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