ZAITEN2025年11月号
有罪被告の元幹部はゴルフ & グルメ三昧
【特集1】三菱商事が抱える「欧州最大規模の環境汚染」
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三菱商事の「リスク爆弾」
イタリアの地方裁判所は、今年6月、環境汚染をめぐって三菱商事元社員3人らに有罪判決を下し、 賠償金の支払いを命じた。元社員らを知る周囲から聞こえてきたのは、当時の呆れた経営実態だった。
「ヨーロッパ最大規模のPFAS環境汚染」として、イタリア国内をはじめ欧州や日本でも報じられたのが、1996年から2009年まで三菱商事の100%子会社だったミテニ社が〝永遠の汚染物質〟と言われる有機フッ素化合物のPFASを垂れ流した問題だ。PFASは重篤な疾患やがんの原因とされている。
イタリア北東部に位置するベネト州のヴィチェンツァ県、パドヴァ県、ヴェローナ県で家庭の水を無自覚に飲んでいた住民に健康被害を与えたとされ、被害者は35万人にのぼると想定されている。
この問題で三菱商事の元社員4人や、三菱商事から09年にミテニ社を1ユーロで買収したドイツの化学専門投資グループICIG(International Chemical Investors Group)の幹部、それに現場責任者ら15人が起訴された。裁判はベネト州のビチェンツァ地方裁判所で、市民が参審員で参加する参審制のもとで21年から4年にわたって審理され、今年6月26日に判決が言い渡された。有罪判決を受けたのは15人中11人で、量刑は拘禁刑2年8カ月から17年6カ月。さらに、イタリア環境省への賠償金として総額約5700万ユーロ(約96億円)を連帯して支払うよう命じられている。
三菱商事の元社員については、起訴された4人のうち3人に有罪判決が言い渡され、1人は無罪となった。
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