ZAITEN2026年2月号
内外切抜通信社「著作権寄生」の実態が露見
【特集1】無断コピーは犯罪です!! 内外切抜通信社「著作権寄生」の実態が露見
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新聞・雑誌の記事切り抜きを提供する内外切抜通信社は、本誌の2019年7月号取材で、「顧客企業には切り抜いた現物のみを提供している」と述べた。だが、その言葉が真っ赤な嘘であったことが、内部告発により暴かれた。
新聞や雑誌などの紙媒体を違法にコピーする事件が近年、頻発している。
最近では愛知県蒲郡市で市職員が新聞記事を無断で共有していたとして、2025年11月6日には読売新聞グループの3社と毎日新聞社が、同20日には朝日新聞社、日本経済新聞社、中日新聞社の3社が同市を東京地裁に提訴した。
報道によれば、蒲郡市は12年から24年の少なくとも12年間、各紙の記事を無断でコピーし、庁内のイントラネットで共有したとされ、朝日は約1億4600万円、日経は約1億4000万円、中日は1億5000万円、読売は6100万円、毎日は2200万円の損害賠償を求めているという。
著作権法は、新聞・雑誌記事などの著作物を複写(コピー)する場合、同法が定める保護期間(原則として著作者の死後70年)を過ぎているか、私的使用などの例外を除いて著作権者の許諾を得る必要があると定めている。許諾を得ないままコピーしたり、インターネットで配信したりすれば、著作権のひとつである「複製権」や「公衆送信権」の侵害となる。
これらの権利を侵害した者は、刑事・民事両面で罰せられる可能性があり、被害者である著作権者が告訴すれば、加害者(私人)には10年以下の懲役、もしくは1000万円以下の罰金、もしくはその両方が科せられる。
加害者が法人の代表者である場合や、その法人の従業員などが故意に著作権侵害行為をした場合は、行為者が前述の規程に基づき罰せられるほか、法人にも「最大で3億円以下」の罰金が科せられることになる。
6年後に露見した真相
本誌は、新聞・雑誌記事の不法コピーについて早くから問題視し、その実態解明に取り組んできた。19年6月号では、政府系金融機関である日本政策投資銀行が本誌記事を許諾なくコピーし、社内のイントラネットに掲載していたとの内部告発が届いたのを受けて糾弾記事を掲載。同7月号では、日本の代表的企業30社あまりに対して質問状を送付し、著作物の取り扱いに関する実態調査を行ったほか、雑誌や新聞の記事を切り抜き、顧客に郵送して共有する「クリッピングサービス」を行う各社に対しても、業務遂行において著作権侵害が行われていないかどうかを問い質した。
......続きはZAITEN2月号で。







