ZAITEN2026年1月号
高市政権で蘇る「アベの亡霊たち」
【特集1】高市官邸を牛耳る経産官僚が狙う「経産省内閣2・0」
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安倍晋三政権で長く首相秘書官を務めた今井尚哉が復権。高市政権で内閣官房参与に就任するや、 子飼いの前経産次官・飯田祐二を首席首相秘書官として官邸に送り込み、権力を操ろうとしている。
世論の高い支持率を笠に着て、経済財政から外交安全保障まで、独自路線に邁進する首相の高市早苗。財務省をはじめ、霞が関の主要官庁が対応に手を焼く中、独り、経済産業省だけはほくそ笑んでいる。
歴代最長の在任期間を記録した安倍晋三政権の再現を妄想する高市が、安倍の懐刀で「官邸のラスプーチン」とあだ名された今井尚哉(1982年旧通商産業省)を内閣官房参与として三顧の礼で迎え入れ、首席首相秘書官に前経産次官の飯田祐二(88年同)を起用したことで、時の権力を自由に操れる「経産省内閣2・0」とも言うべき環境が整ったからだ。
アベノミクスの二番煎じと言えるサナエノミクスが財政規律を軽んじていることも勿怪の幸い。「今井・飯田」コンビは、飯田と同期入省の藤木俊光が差配する経産省と謀って、半導体やAI(人工知能)、原発、造船・防衛などあらゆる分野に血税をばらまき、省是である国家資本主義路線を推し進めようと目論んでいる。
「飯田君を使ってください」 「私が首相秘書官になれば『安倍政権の猿真似』とマスコミから叩かれかねません。代わりに飯田君をぜひ使ってやってください。経産次官を2年務めた彼なら霞が関全体に睨みが利くはずです」
10月の自民党総裁選で勝利した直後、高市から首席首相秘書官を打診された今井はこう述べ、子飼いの飯田を高市官邸のトップポジションに送り込むことにまんまと成功した。
三菱重工業の顧問やキヤノングローバル戦略研究所研究主幹、投資ファンドの取締役など「副業」にも忙しい今井は、内閣官房参与という裏方役で、自らの「分身」である飯田を操縦し、高市政権の経済財政から外交安保、エネルギー政策まで牛耳る腹積もりだ。
......続きはZAITEN1月号で。







