ZAITEN2022年04月号

いまや〝観光庁の女帝〟と言われる処世術

観光庁を手玉に取る「東京女子大学・矢ケ崎紀子教授」

カテゴリ:政治・国際

2204_矢ケ崎紀子_21_サイト.jpg矢ケ崎紀子教授(写真は公式HP)

 新型コロナウイルス感染拡大で大打撃を受ける観光産業。無論、観光政策の司令塔である国土交通省の外局、観光庁も例外ではない。実質的に海外との往来ができなくなった中、訪日外国人旅客数4000万人や6000万人といった目標も画餅と化している。  そんな状況を受けて、これまでのインバウンド観光振興政策一辺倒の姿勢を見直し、観光庁がGoToトラベルとともに国内観光振興の目玉としてぶちあげたのが、「第2のふるさとづくりプロジェクト」だ。その有識者会議の委員名簿を前にして「正直、またかという感じ」と、うなだれるのは大手旅行会社の元幹部。座長に「東京女子大学教授・矢ケ崎紀子」と記されているからだ。

 矢ケ崎が関わる審議会や委員会、検討会といった会議体は、他にも、旧運輸省テリトリーの最高峰に位置する「交通政策審議会」委員、さらに同審議会の下部に当たる「観光分科会」会長。観光庁がコロナ後を見据えた「アフターコロナ時代における地域活性化と観光産業に関する検討会」委員。「第2のふるさと」と同様に観光庁が力を入れる富裕層向けの観光政策を決める「地方における高付加価値なインバウンド観光地づくり検討委員会」委員。DMO(観光地域づくり法人)の生殺与奪に関わった「世界水準のDMOのあり方に関する検討会」座長といった具合に、重要な観光政策の決定プロセスにほとんどに関わっているといっても過言ではない。

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