ZAITEN2024年04月号

ヒューリックが掴んだ「東郷神社土地ビル」の大惨事

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 東郷平八郎を「軍神」として祀る東郷神社(東京都渋谷区)の敷地内には、2棟の高層ビルが建っている。このうちの1棟を所有するヒューリックが、地主である東郷神社から建物の容積率と地役権をめぐって提訴されていることがわかった。地役権の瑕疵に乗じて金を掠め取ろうとする詐欺師も跋扈しており、ヒューリックの利益至上主義と法令遵守意識の低さが浮き彫りになっている。  

 東郷神社は神社本庁を統括団体として1954年に戦火から再建。崇敬会の会長は過去、吉田茂など錚々たる顔ぶれが連なる。ビル2棟は元大阪商船三井船舶(現・商船三井)会長の友國八郎氏が会長だった時代にプロジェクトが立ち上がり、リビエラコーポレーションが開発を担った。

 その後、00年にまずセコム本社ビル(18階建)が竣工。宗教法人が敷地を売却するのは困難なことから、東郷神社は存続期間60年の地上権を設定してセコムから地代を得る方法を取った(土地の賃貸借と擬制)。  

 続いてリビエラは2棟目のビルの開発に着手。紆余曲折を経て米エリオット・マネジメントがプロジェクトを承継し、17年に地下3階地上23階建の高層ビルを完成させた。これが神宮前タワービルディングである。  

......続きはZAITEN4月号で。

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