ZAITEN2024年06月号

ホテル需要高騰でも〝旧赤プリ〟売却

西武・後藤会長「メンツ優先」の資産〝切り売り〟

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「紀尾井町」(東京・千代田区)の語源は、江戸期に紀州徳川家、尾張徳川家、近江彦根井伊家が屋敷を構えていたことに由来する。維新後、この3大名の屋敷は伏見宮家や北白川宮家に払い下げられ、このうち北白川宮邸は「大韓帝国最後の皇太子」である李垠(イ・ウン)と梨本宮家長女・方子(まさこ)夫妻の邸宅となった。  

 1952年、この旧李王邸を買い取ったのが西武グループ。創業家の2代目・堤義明(89)が敷地の一角に建設した赤坂プリンスホテル新館(83年開業、2007年「グランドプリンスホテル赤坂」に改称、11年閉館)は〝バブルの象徴〟と呼ばれるほど人気を博した。その堤が総会屋事件やインサイダー事件で失脚して20年。ここに来て〝旧赤プリ〟の売却話が突如浮上し波紋を広げている。西武ホールディングス(HD)にとって虎の子の資産の売却は、堤家を排除し、新たな「西武の天皇」になった同社会長、後藤高志(75)の「切り売り経営」が限界に来たためと関係者は見ている。

キーワードは資産の軽量化

「(売却が)実現すれば国内不動産取引で最大級となる可能性がある」。ロイター通信がこんな大層な表現で〈西武HD「赤プリ」跡の旗艦ビル売却を検討〉との記事をスクープしたのは3月22日。

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