ZAITEN2024年06月号

「悪貨」が「良貨」を駆逐する欠陥制度

小林製薬「毒薬サプリ」を生んだ機能性表示食品

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 政府の愚策とそれに乗った小林製薬により、予想されていた人災が起こるべくして起きた。  

 小林製薬は米などの穀物にカビの一種である「紅麹菌」を混ぜ、発酵させることでできる「紅麹」を原料とした「紅麹コレステヘルプ」など3つのサプリメント製品を、「悪玉コレステロールを下げる」という効能を謳い、2021年4月から順次発売。だが、この製品を摂取していた消費者が腎臓の病気を発症するなどしてこれまでに5人が死亡したほか、全国で健康被害の訴えが相次いでいる。  

 厚生労働省によれば4月11日時点で、小林製薬の3製品を摂取した消費者のうちのべ1344人が体調に異変を感じるなどして医療機関を受診し、のべ226人が入院。その多くがむくみや倦怠感といった腎疾患の症状を訴え、一時的に透析が必要になった患者もいたという。

 小林製薬では健康被害を訴えた約800人の患者の治療費用を負担する意向を示しているほか、商品を供給した先が自主回収や廃棄費用として総額18億円を計上したというが、補償のための費用はまだまだ膨らむと見られている。同社が2月に発表した2024年12月期の連結業績予測では前年同期比で0・8%増となる205億円の最終利益を見込んでいたが、これが補償費により圧迫されるのは確実だ。

......続きはZAITEN6月号で。

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