ZAITEN2024年11月号
利用者を犯罪者呼ばわり
JR東日本 藤沢駅トイレ〝犯罪〟の警告文に批判
カテゴリ:クレーム・広報
JRグループとまったく関わることなく生活していくのは、恐らく今の日本では難しいだろう。とりわけ首都圏の場合、JR東日本のお世話になることも少なくないが、JR東は2025年までに「みどりの窓口」約7割削減を目指し3年前から計画を進めてきた。だが、利用者からの苦情や批判が殺到し、この春、計画は凍結された。そんなJR東に対して、〈顧客、利用者のことを〝犯罪者〟呼ばわりするのか〉と憤る利用者から、編集部にメールが届いた。
〈自宅最寄り駅としてJR藤沢駅を利用しているのですが、いつの頃からかトイレの入り口に「ゴミの投棄は『犯罪』です」との張り紙がされるようになっています。藤沢駅、藤沢警察署の連名での掲示なのですが、正直、利用者のことをJRは犯罪者だと思っているのかと毎回、見るたびに不愉快になります。家族に聞くと、女子トイレの入り口にも同様の張り紙がしてあるそうです。
おそらく、一部のマナー違反の利用者が家庭ゴミ等を持ち込み、不法投棄することへの警告だと思われます。そもそも、藤沢駅のトイレにはゴミ箱が設置されていません。ゴミの持ち込みはもちろんよくないですが、ゴミ箱の撤去と警告の張り紙以外に方法はないのでしょうか。
藤沢は海外からの観光客も多い土地柄で、たまに日本語が分かると思しき外国人利用者が、この張り紙に対して怪訝な表情を見せている時もあり、藤沢や日本に対する印象が悪くならないか心配になります〉(読者からのメール)
効果のない張り紙
藤沢駅にはJR東の東海道線のほか、小田急電鉄の江ノ島線、江ノ島電鉄の江ノ島電鉄線が乗り入れている。藤沢市の資料によると、1日当たりの乗降者数は約40万人にのぼる。藤沢は、品川駅や東京駅など、オフィス街に接続する東海道線利用者のベッドタウンであり、人気の観光地である江ノ島を擁し、鎌倉にも近い。映画のヒットで再び人気の高さを示した漫画『SLAM DUNK』の舞台となった聖地として訪日外国人も多く訪れる湘南地域に位置する。
読者から指摘があったのは、JR藤沢駅のトイレに掲示されたゴミの不法投棄に対する警告文だ。
編集部が実際にJR藤沢駅構内のトイレを確認すると、トイレの入り口には、あたかも利用者を〝威嚇〟するような警告の張り紙が掲示されていた。男子トイレの中を確認してみたが、読者が指摘するようにゴミ箱は見当たらない。
しかし、ゴミ箱がないことが災いしてか、トイレ内にはビールの空き缶やおつまみの包装紙などが散乱しており、入り口の警告の掲示がまったく無意味であることが判明した。
.....続きはZAITEN11月号で。