ZAITEN2025年03月号

「ザ・ロード・レース・東京」

日本自転車競技連盟「我田引水」の〝負のレガシー〟

カテゴリ:事件・社会

 大イベントなどの派手なことが好きで、人気取りに余念がない小池百合子東京都知事は、2020年東京五輪で自転車ロードレースが多摩市で開催されたことを踏まえ、これをレガシーとして残すためのロードレースを開催。23年に「ザ・ロード・レース・東京」が行われ、今年7月には2度目の開催を予定しているが、これがいただけない。あからさまな事業委託の恣意的業者選定が行われ、数億円レベルで委託費用が蕩尽されているという。

 国内の自転車レースの公認・審査団体の公益財団法人日本自転車競技連盟(JCF・橋本聖子会長)の内情を知る関係者が、その実情を嘆きつつ語る。 「23年の第1回目のレースは事業予算13億円の大規模なもの。ところがスタート会場の八王子の公園に行ってみると、写真を撮っているカメラマンは全員顔見知りの既存の自転車メディアの連中ばかり。一般のメディアにはまともな告知が行われていなかったからです。目に見えてお金をかけたと確認できるのは、道を区切るパイロンがどこのレースでも見かけないくらいの尋常じゃない数が立てられていたことぐらいでした」

 この予算がいかに破格なのか。毎年10月には栃木県宇都宮市で「ジャパンカップサイクルロードレース」という大会が開催されるが、これはヨーロッパのプロ選手も参加を希望するほどの国内では1番グレードの高いレース。こちらの予算が2億円だというから、つまりは6倍以上。そして、どう考えても予算規模は過大。単純に見積もってもおよそ6億円ほどの金額の使途は不明だ。

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