ZAITEN2026年1月号
工場の土地建物売却で、貴重な技術が風前の灯火に…
昭和HDを牛耳る「いわくつきファンド」の子会社搾取
カテゴリ:事件・社会
日系ファンドAPFが支配する老舗ゴム会社で、社長以下4人の取締役が、裁判所に取締役としての地位を 否定される珍事が発生。だが、その原因たるファンド同士の抗争を、子会社社員は白けた目で眺めている。
千葉県柏市に本社を置き、東証スタンダードに上場する「昭和ホールディングス」(昭和HD)。
創業は1886(明治19)年と、業歴150年に迫る同社の旧社名は「昭和ゴム」。戦前からゴム製品の製造を手掛け、もともとは現在の明治HDと同じ旧明治製糖グループに属していた。
だが、2000年にグループを離脱した後は、経営権がいくつかのファンドの手から手へと渡ったのち、08年6月に第三者割当増資を実施し、これを引き受けた「アジア・パートナーシップ・ファンド(APF)」グループの実質的な傘下となった。
旧昭和ゴムは09年6月には昭和HDに社名を変更して、持ち株会社となった上で、主業であるゴム製造は同年10月、新たに設立した事業子会社「昭和ゴム」に継承された。
配管やタンクなど、大型工業機器の接液面にゴムを接着し、機器の腐食を防ぐ「ゴムライニング」の技術を持つ企業は国内には数社しかなく、特に東日本では、もはや昭和ゴムしか残っていないとも言われる。
だが今秋、その老舗企業に関する「珍事」が一部の耳目を集めた。
......続きはZAITEN1月号で。
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