ZAITEN2025年06月号

業績好調でも〝跡取り〟に〝特別な手柄〟はなし

エーザイ〝不肖息子〟への代替わりに拭えぬ不安

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 国内製薬大手エーザイの代替わりがいよいよかと注目を集めている。跡継ぎ争いを制したのは、創業家出身で現社長・内藤晴夫の長男である景介。2013年10月の入社後、6年足らずで執行役に就任。昨年6月に代表執行役専務最高執行責任者(COO)となり、業績も好調なことから、社長交代への地合いが整ってきた。

 しかし、代替わりが現実味を帯びるにつれ、社内からは景介に対する不満の声も漏れ聞こえてくるようになった。実力者だった父親との経営手腕の差は大きく、同社の先行きを危ぶむ向きもある。

 エーザイは内藤豊次が戦前に創業し、現社長の晴夫はその孫で3代目。1988年に40歳で社長に就任し、以後、トップに立ち続けている。オーナー企業の長期政権は停滞しがちだが、エーザイはひと味違う。

 慶応義塾大学商学部卒と文系出身ながら研究開発本部長を務めていた当時、認知症が今後、社会で大きな問題になると先読みし、80年代半ばに会社として研究開発に乗り出すことを決断。その結果、認知症の1種であるアルツハイマー病(AD)治療薬「アリセプト」を実用化し、業界内で「認知症ならエーザイ」との評価を確立した。さらに2000年代に入ると、がん領域への進出を決め、ここでも抗がん剤「レンビマ」を生み出し、成功に導いた。

......続きはZAITEN6月号で。

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