ZAITEN2025年06月号
「無能経営5年」の成れの果て
日本郵政「増田トンズラ」で沸き立つ旧郵政官僚
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かんぽ生命保険の不正契約問題に伴う経営刷新で、2020年1月から日本郵政社長を5年にわたって務めた増田寛也(73歳、1977年旧建設省、元総務相)が今年6月に退任することになった。ガバナンス(企業統治の強化)を「一丁目一番地」として掲げながら、最近も不祥事を連発させるなど組織のモラルは悪化の一途。懸案の郵便事業の立て直しも全く進められず、株価は株式上場時(15年11月)の初値を大きく下回る体たらく。挙句の果てには、郵便局のユニバーサルサービス維持にかこつけて、国に財政支援を乞う始末。誰が見ても今回のトップ交代劇は「引責辞任」に映るが、増田本人は「若い人に思い切ってバトンタッチし、周囲でサポートする体制がいいと考えた」などと嘯いている。
無能トップの退場は、通常なら市場に好感されるはずだが、そんなムードも皆無。「社内で誰も自分の言うことを聞かず、何をやっても上手く行かない状況に嫌気が差した増田が経営を投げ出し、トンズラした」(周辺筋)のが実態だからだろう。
「立つ鳥跡を濁さず」という言葉も理解できないらしい。事もあろうか、後継者に郵政民営化路線に逆行するような旧郵政官僚を据えた。「親方日の丸」への先祖返りを決定づける筋悪人事で、喜んでいるのは「日本郵政トップの奪取」を長年の悲願としてきた旧郵政官僚ばかりというのが実態だ。
笑いが止まらない
「ダメおやじと見下していた増田が最後の最後にいい仕事をしてくれた」。総務省内の旧郵政官僚や日本郵政グループ内の天下り幹部たちは今、こんな声で沸き立っている。
......続きはZAITEN6月号で。
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