ZAITEN2026年10月号
日本財団「委託業者からのセクハラ告発」に〝下請け切りで報復〟疑惑
カテゴリ:事件・社会
公益財団法人日本財団が取引事業者に対し行った「監査」と「調査」が、助成金の適正使用を確認するという本来の目的を逸脱し、特定事業者への「報復」として利用された疑惑が、複数の関係者証言と関係文書から浮上している。
発端は2023年、日本財団の職員が、同財団の委託業者A社の女性職員に対して行った、セクシュアルハラスメントだった。
被害に遭った女性は体調を崩し、心療内科を受診。女性から訴えを受けたA社は同年9月、日本財団常務理事宛てに報告書を提出し、身体接触や性的な発言など計6件の被害を報告した。これに対し日本財団は内部調査を実施し、11月15日付の文書でセクハラの事実を認定。加害者に対し減俸や配置転換などの処分も行った。
しかしA社の関係者によると、25年2月に日本財団のある職員と会食した席上、その職員がセクハラ事案の詳細を知る立場ではないにもかかわらず、被害女性の氏名や申告した被害の内容、診断内容まで把握していることに驚愕したという。なぜ知っているのか問うと、同じ情報が財団内の広範囲に共有され、「加害者を貶めた人物」と受け止められていること、さらに加害者が、総務担当の財団常務理事に、処分後に出向していた関連団体から日本財団に復帰できるよう根回しを進めていることを教えられた。実際に同年6月、加害者は復帰し、被害女性との接点もある事業の担当になったという。
さらに日本財団が、A社を助成事業から締め出す意向を持っているとも告げられたといい、その「警告」は現実のものとなった。A社が25年度以前から継続的に関与してきた複数の助成事業について26年度の申請を行ったところ、いずれも「不採択」とされたのだ。
そしてこの決定が下される前後の26年1~4月にかけて、日本財団の監査部により、同財団が助成している事業の複数の関係者を対象とした監査・調査が行われた。同財団はこの調査を理由に、助成金の交付が決定済みで、事業自体もすでにスタートしている複数の事業について助成金の支払いを保留すると決定。支払い保留となった事業は、いずれもA社が関与していたものだった。支払いを保留された複数の団体は不服であるとして、今年5月に東京地裁に提訴している。
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