ZAITEN2026年11月号
優秀人材が沈む泥船から大脱出
ニコン「名門凋落」で忍び寄る〝下請け化〟の現実
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かつて世界にその名を轟かせた名門企業「ニコン」が、沈む泥船の様相を呈している。2026年3月期に計上した連結営業損益はマイナス1124億円という、過去最悪水準の巨額赤字であった。前年の24億円の黒字から一転して赤字に転がり落ちたが、単なる「一時的な業績不振」を意味するものではない。実際に8月に公表された27年3月期第1四半期の業績は、売上高1641億8200万円、営業利益は9億9700万円の赤字、純利益は前年同期比約86%減の12億8900万円となんとか黒字を出した格好で、苦しい状況の根本的な出口は見えない。
「人件費抑制で無理やり黒字化しただけだ」(同社OB)という手厳しい意見が聞こえるなか、いまニコンを襲っているのは、この〝人件費抑制策〟が完全に悪手として作用したであろう深刻な人材流出だ。同じOBが続ける。 「ニコンが〝次の柱をつくる〟として、19年に全社組織へ格上げした次世代プロジェクト本部は、25年4月に廃止されました。人員は後継組織である、ビジョンロボティクス本部とリブレット加工推進室に振り分けられましたが、その前後を通じて、30〜40人規模が会社を去っています」
個々の退職の動機はさまざまだが、大きく「2つの要素が強いのではないか」とOBは指摘する。
1つは業績不振を背景とした年収の減少だ。 有価証券報告書の従業員の平均年間給与を比較すると851万円(25年3月期)から799万円(26年3月期)と約52万円(6%)減少している。平均年齢や勤続年数に大きな変動がないことから、新卒を大量採用して平均が押し下げられたとも考えにくい。 この年収減少は残業抑制と賞与減額が強烈に作用していると見られている。前出とは別のOBによれば、「ZAITENでも長時間労働の問題が取り上げられていましたが、現在は一転して残業時間を抑制させています。
......続きはZAITEN11月号で。








