2021年08月号

新社長は〝負の遺産〟で前途多難

三越伊勢丹 首を斬られた「首斬り社長」

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三越伊勢丹杉江俊彦会長(写真は公式サイトより)

「四流が三流にバトンを渡したということ」――。三越伊勢丹ホールディングス(HD)の今年4月の社長交代を評して、大手百貨店幹部はこのように切り捨てた。

 それまで社長を務めていた杉江俊彦(60)が代表権のない取締役として事業会社の三越伊勢丹の会長に退き、子会社で福岡市に本店を構える岩田屋三越社長の細谷敏幸(57)が後を継ぐ形になった。

 2月の発表を受けて各紙は、杉江は百貨店低迷の業界環境の中、構造改革を推進し一定の結果を残したことで退任、片や細谷は「営業のエース」で、岩田屋三越の利益を伸ばしたことが評価されて抜擢されたなどといった"ご祝儀原稿"を掲載した。

 ところが、そもそも今回の社長交代は想定外のもので、業界内でも驚きの声が上がっている。杉江が「クーデターまで起こして社長になったのだから、もう少しやると思っていた」(別の大手百貨店幹部)ところ、2期4年での退任となったからだ。

 さらに、社長交代のオンライン会見で、杉江は「(改革には)一定のメドが立った」と自らの実績を誇らしげに語ったものの、生気のない表情を浮かべていたこともあって、「またクーデターだったのか」とザワつく始末。舞台裏で一体、何があったのか。

......続きは「ZAITEN」8月号で。

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