ZAITEN2022年04月号

メールアドレスと電話番号を「誤案内」

あきれた広報実話 中京銀行

カテゴリ:クレーム・広報

 本号は、早期・希望退職の実態について、多くの上場企業を取材することになったが、中でも中京銀行の取材対応は迷走した。編集部では、まず中京銀行の代表電話に電話した。そして総合企画部の天野氏につながった。 「広報は総合企画部の八木という者が担当しておりますが、ご希望に添えないこともございます」と、天野氏は取材をする前から一言多い人という印象だったが、声の落ち着きからして、ベテラン行員であることには違いない。

 質問状を送りたいと申し出たところ、すぐにメールアドレスと直通の電話番号を伝えてくれ、話を終えた。広報対応についてはごくごく普通で、その場で問題に感じる点は特になかった。ところが、天野氏が教えてくれたメールアドレスを入力し、メールを送ったところ、〈配信不可〉のメールが、編集部のメール受信BOXに戻ってきたのだった。メールのドメインが違っていたようだ。

 そのため、教えてもらった総合企画部直通の電話番号に確認のため電話をかけることになった。  しかし、電話に出てきたのは、天野氏の所属する総合企画部ではなく、リスク統括部というよく分からない部署名の斉藤氏という人物だった。ナント、電話番号も違っていたのである。 「確かに総合企画部に八木というものはおりますが、今、お電話をお掛けいただいておりますのは、中京銀行のリスク統括部ですので、もう一度代表電話にお掛け直しいただき、総合企画部につないでもらってください」(斉藤氏)

 取材を行う上で、質問状を送るために聞いたメールアドレスや受取確認のために必要な電話番号などが、すべて「誤案内」だったというのに、代表電話から「もう一度掛け直せ」は、ないだろう。  斉藤氏が本当にリスク統括をしているのかすら疑わしい。  このような対応から中京銀行のリスク統括レベルには難があることが判明した。  結局これ以上、斉藤氏に食い下がっても埒が明かないため、再度、代表電話から総合企画部につないでもらい、天野氏を呼び出し、アドレスを確認したところ、ドメインのハイフンが抜けていることが分かった。

 また、電話番号についても1番違いのリスク統括部の番号をなぜか案内していたことが判明した。本当にごめんなさいといった感じで天野氏は終始対応していたが、会社のドメインの案内ミスをしたり、自分の部署の電話番号を間違えるとは、緩みすぎでは......。  ちょっとしたアンケート取材だけなのに、質問状を送信するまでに何時間もかかってしまったのは言うまでもない。ヤレヤレと思っていたところ、今度は総合企画部グループ長の八木氏から、押しの強い感じで電話が入ってきた。 「明日までの回答はいくらなんでも無理。それはない」

 編集部では正当な理由があるのなら、回答期限の交渉には応じているので、中京銀行側の希望はもちろん受け入れたが、質問状の送信が遅れた責任の一端は中京銀行側にあることに八木氏はまったく気づいていなかった。

......続きはZAITEN4月号で。

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