ZAITEN2023年10月号

工事の事実さえはぐらかす下請け無視

ミライト・ワン「米軍基地工賃未払い」で下請け悲鳴

カテゴリ:事件・社会

「米海軍厚木基地内にあるエアーターミナルの事務所のリノベーション工事に、ミライト・ワンとアクティーによるJVの2次下請けとして工事を担当しました。工事期間は約半年間で、1次下請けのKENSYOから月末締めの翌月払いで工事代金が支払われることになっていました。ところが、途中からKENSYOから代金が支払われなくなったのです。しかも、KENSYOは自分たちも元請けのJVから代金を払ってもらっていないと言い、アクティーに至っては私たちとは契約していないと主張しています。このまま支払いがなければ私たちは倒産するしかありません。いったいどうなっているのでしょうか」  

 怒りとやりきれなさが混ざった様子で現状を語ったのは、神奈川県伊勢原市の土木建築業者NEXUSの社長。未払いが起きていると主張しているのは、神奈川県綾瀬市と大和市にまたがって位置する米海軍厚木基地(米海軍厚木航空施設)内での工事のことだ。  

 この工事は、基地内の重要な施設の1つであるエアーターミナルのリノベーションを行うもの。関係者によると、関連工事の総額は10数億円で、在日米軍駐留経費負担、いわゆる「思いやり予算」によって支出されているとみられる。工事の元請けは東証プライム市場に上場し、電気・土木・建設工事などを手掛けている東京都江東区のミライト・ワンと、米軍基地内の建設工事を主に手がけている岡山市が本社のアクティーだ。ミライト・ワンは工事を始めた当時は合併前で、ミライト・テクノロジーズという社名だった。  

 このJVの1次下請けとして入ったのが、やはり米軍基地内で土木・建設工事を行なっているKENSYO。NEXUSは、当時KENSYOの社長だったY氏の誘いを受けてこの工事の一部を受注し始め、2021年12月から翌22年5月までの間、実質的に工事を担当した。最初の3カ月は工事代金が支払われていたが、22年3月分から支払われなくなり、工事が終わってから1年以上経った今もそのままになっているのだ。

......続きはZAITEN10月号で。

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