ZAITEN2024年09月号

マネードクター(FPパートナーズ)

FPパートナー「未成年に保険相談を勧める意味不明CM」

カテゴリ:クレーム・広報

〈昨今、本当にわけの分からない不愉快なCMが増えたと思っていましたが、特に「マネードクター(FPパートナーズ)」のCMは常軌を逸したものでした。  

 CMの設定は高校生の部活の試合後だと思われます。俳優の広瀬すずさんがコーチ役で、試合に負けて落ち込む高校生たちに「保険のことFPに相談するならマネードクター」とひたすら言い続けます。生徒が試合に負けた設定なのに保険の話を始めるのは意味不明ですし、高校生に保険相談を勧めるのは倫理的に問題ではないでしょうか。  大人に比べ、保険などの金融商品にあまり馴染みがなく、よくわからない子どもに「なんでもでいいから相談しなよ」と勧めているように思えてなりません。だとしたら相当〝アコギ〟な会社ではないでしょうか。  

 広瀬さんには罪はないのですが、このCMが流れる度に不愉快な気持ちになります〉(読者からのメール)

かなりシュール

 読者が指摘するのはマネードクターのCM「コーチの言葉」篇だ。これ以外にも「姉の言葉」篇があり、シリーズ化している。  

 ちなみに「姉の言葉」篇では、バスの車内が舞台だ。前の席に偶然乗り合わせた彼氏に、「今から妹とデート?」と突然話しかける広瀬氏。そして、矢継ぎ早に「マネードクター」を勧めるという、こちらも終始よくわからない展開だ。

 広瀬氏が「保険のこと、相談するならマネードクター」と一方的に語るのは「コーチの言葉」篇と同じ構成。バスの中で突然、意味不明な話をされた彼氏は困惑するしかない。

 ちなみに、「マネードクター」とは、保険・金融商品を販売するFPパートナーズが提供するサービスで、お金に関するあらゆることをファイナンシャルプランナー(FP)に無料で何度でも相談できるというもの。  

 編集部は読者の声について、FPパートナーズの見解を取材するべく質問状を送った。

 しかし、同社経営企画部広報課の吉田氏からの返事は〈今回お問い合わせいただきました件につきましては、回答は差し控えさせていただきます〉というものだった。  FPパートナーズへ送った質問項目の中にはCMのコンセプトや企画意図もあったが、それすら回答しなかった。  

 これでは〝意味不明〟なCMであると自ら認めているに等しいではないか。

 同社のプレリリースには広瀬氏へのインタビューが掲載されており、広瀬氏自身も「かなりシュール」「すごく不思議なシチュエーション」と語っている。出演俳優も困惑させる意味不明なCMだったようだ。 「コーチの言葉」篇と「姉の言葉」篇に共通するのは余裕がない人に対して、一方的に畳みかけるようにまくしたてるストーリーだ。

 正常な判断をする間を与えないように、あるいは洗脳するようにも聞こえる〝アコギ〟なCM。消費者にとっては有害そのものである。次回作はどんな〝アコギ〟なストーリーを展開されるつもりなのだろうか。

......続きはZAITEN9月号で

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